政府の「規制改革推進会議」は、介護保険と介護保険外サービスを組み合わせた「混合介護」の導入を目指し、規制緩和を求める意見書を発表した。ルールを明確にするガイドラインを年内につくり、早期の実現につなげるべきと訴えた。今年6月に策定する答申に盛り込み、政府の閣議決定に反映させたい考えだ。
現在、訪問介護で家族分の食事や洗濯、掃除を一緒に済ませたり、通所介護の時間内に買い物支援やマッサージを行ったりして、「介護報酬+α」の料金を徴収する案が出ている。このほか、ヘルパーの「指名料」や「時間指定料」を設定できるようにする構想も浮上している。利用者の選択肢が増えて利便性が向上するほか、収益を伸ばしたい事業者のチャンスを大きく広げることになるため、業界の活性化や職員の処遇改善に寄与すると期待されている。
規制改革推進会議は意見書で、「現状に照らせば介護保険サービスだけで国民の多様なニーズに応えていくことは難しい。保険外サービスを一体的に提供する必要があることは明らか」と主張した。
一方で、「生じ得るデメリットを極小化する制度上の工夫」も新たに打ち出した。判断能力が衰えた高齢者が過度な負担を強いられたり、自立支援の理念が形骸化したりする事態が心配されていることを考慮してのもので、多職種によるアセスメントを経たうえでのケアプラン策定を促進することや、ケアマネジャーが自立支援・重度化防止の観点を踏まえて保険外サービスをケアプランに位置付けるなどの提案を盛り込んでいる。
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