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 東京商工リサーチ(東京都千代田区)は7日、2019年の「老人福祉・介護事業」の倒産(負債1千万円以上)が111件だったことを発表した。同社が集計を開始した2000年以来、過去最多だった17年に並び、16年から4年連続の100件台となった。倒産件数は前年比4.7%増で2年ぶりに増加に転じた。

 

 

東京商工リサーチ 17年の111件に並ぶ

 

111件の負債総額は161億6800万円で前年比97.3%増と急増。負債額が10億円以上の大型倒産が3件あり、昨年1月の未来設計(東京都中央区)の負債額53億8600万円が際立つ。
負債1億円未満は91件(前年比10.9%増)で、全体の81.9%を占めた。

 

 

 

東京商工リサーチによると、統計調査を開始した2000年の倒産件数は3件のみだったが、相次ぐ新規事業者参入など業界再編の中で、倒産は右肩上がりで推移。16年以降4年連続で100件台と「高止まり」している。

 

老人福祉・介護事業倒産は、18年に7年ぶりに前年比で減少となったが、19年は再び増加に転じた。特に、訪問介護事業が58件、前年比28.8%増と急増。そのほかの業種では、デイサービスを含む通所・短期入所介護事業が32件(同41件)、有料老人ホームが11件(同14件)、サービス付き高齢者向け住宅などを含む「その他の老人福祉・介護事業」が5件(同3件)、介護老人保健施設やグループホームなどを含む「その他」が5件(同3件)となった。

 

 

訪問介護で急増

事業継続期間では、14年以降の設立5年未満が35件(構成比31.5%)と3割を占める。
また、従業員数では5人未満が74件(前年比12.1%増、前年66件)で全体の約7割(構成比66.6%)、資本金1000万円未満(個人企業ほか含む)が98件(前年比4.2%増、前年94件)で中小・零細規模の倒産が非常に多い。

 

地区別では、近畿の32件(前年比52.3%増、前年21件)が最多。以降、関東31件(同6.0%減、同33件)、中部14件(同6.6%減、同15件)、九州9件(同35.7%減、同14件)、中国(同33.3%増、同6件)と北海道(同33.3%増、同6件)が各8件、東北6件(同25.0%減、同8件)、北陸3件(同ゼロ)、四国ゼロ(同3件)の順。県別では、大阪府が24件(同33.3%増、同18件)で最多。次いで東京都11件(同26.6%減、同15件)、各8件で神奈川県(同8件)と北海道(同33.3%増、同6件)と続いた。

 

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