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集団感染 休業相次ぐ

 

全国のデイサービスなど通所型施設で、新型コロナウイルスの集団感染が相次いでいる。利用者、職員の双方に感染者が出るクラスター化が見られ、名古屋市が一部の区でデイサービスに休業を要請。千葉県市川市も10日、感染状況によって今後の利用者の受入れ縮小などを要請しており、業界は深刻な事態を迎えている。

 

 

愛知県は11日、名古屋市を中心とした感染者拡大で、感染者の集団(クラスター)の1つがデイサービスを中心にしたものであるとの見解を示した。名古屋市は緑区と南区の全デイサービス事業所(126ヵ所)に今月7日から2週間の休業を要請している。

 

 

兵庫県伊丹市のデイケア事業所では13日時点で介護士と利用者の双方の感染が確認され、死亡者も出ている。兵庫県は事業所名を公表するとともに、同施設に休業を求めた。

 

 

首都圏では、千葉県市川市のデイサービスで利用者と家族、職員の感染を確認。千葉県と市川市の合同対策チームが対応している。千葉県は10日、市内の通所介護事業所やリハビリ事業所に向けて文書を通知。今後、サービス提供縮小や休業要請を念頭に、利用者やその家族、居宅介護支援事業所などと相談の上、対応期間を概ね2 週間程度と見込み、サービスの利用調整や代替サービスの確保などについて、あらかじめ検討しておくことを求めている。さらに、35項目からなる「新型コロナウイルス対応状況チェックリスト」に基づいた施設内のチェックと、確認状況の提出を求めた。

 

 

厚生労働省は、自治体が必要と判断した場合、感染者の有無に関わらず施設に休業を要請できる、と通知。事業者に対しては、特例措置で居宅介護サービスなどへの転換も認めている。13日時点で全国の事業者側の対応は、地域差や温度差があるのが実状だが、一様に困惑の色は隠せない。神奈川県内のある事業者は「利用を控える人はほとんどおらず、現時点では訪問は考えていない。

 

自宅で検温し、症状が出ている人には利用を控えてもらい、施設も換気や消毒などの徹底で対応している」と説明。だが、「近隣の短時間リハビリ・デイで利用を控える人が多く困っている施設もあると聞く。地元のデイサービス連絡会でも対応策を検討している」と不安げな表情を見せる。

 

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資金繰り悪化、経営リスクも

 

感染者発生や休業要請がなくても、デイ利用を控える動きが全国的に拡大。経営リスクも高まっている。介護・保育事業者に特化した法律事務所かなめ(大阪市)代表の畑山浩俊弁護士は「利用者の安全確保が第一だが、資金繰り悪化など経営問題に直面している事業所が急増している」と指摘。

 

「雇用調整助成金の特例措置、人員基準の緩和、デイサービスの職員による利用者宅でのサービス提供の許容など種々の救済措置が存在する。弁護士など専門家の相談窓口も開設されているので積極的に活用し、この難局を乗り切ってほしい」と話す。

 

 

介事連「業界の緊急事態」

 

一般社団法人全国介護事業者連盟(東京都千代田区)は10日、ユーチューブの動画チャンネルで斉藤正行専務理事が緊急コメントを発表。斉藤専務理事は「介護業界としても緊急事態を迎えていくという認識に立ち、全員が強い危機感をもって対策にあたる必要がある」と強調。

 

その上で、「社会保障のインフラたる介護サービスを切れ目なく提供していくことがわれわれの使命。新型コロナウイルス感染症は介護業界全体で一致団結して乗り越える課題だ」と述べ、業界の連携を訴えている。

 

 

 

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