中央アジアに位置するウズベキスタン共和国は昨年12月、日本政府との間に在留資格「特定技能」を有する外国人に係る制度の協力覚書に署名。日本と一層の互恵的な関係を強化していく意向を示した。駐日ウズベキスタン大使のガイラト・ファジロフ氏に両国の今後の関係性について聞いた。
──これまでの日本との交流について教えてください。
ファジロフ 1991年のソ連崩壊を機に旧ソビエト連邦から独立して、その翌年に日本と外交関係を樹立しました。直近では、昨年12月にシャフカット・ミルジヨーエフ大統領が日本に正式訪問して、安倍晋三首相と両国の戦略的パートナーシップの深化に関する共同声明を出しました。
──日本や日本人のイメージは。
ファジロフ 赴任してから約2年間日本で過ごしていますが、ウズベキスタンと似ている部分が多く、大変過ごしやすいです。また、日本人は勤勉で、真面目で年配者を敬う心を持っているなど、ウズベキスタンの国民性との共通点がたくさんあると感じます。
──日本の超高齢社会をどのように考えていますか。
ファジロフ 主に2つの理由で大きく関心を持っています。第一に、ウズベキスタンへの日本からの観光客数が年々増えてきている中で、シニア層の割合が多く占めていることです。シニアの方ほど、シルクロードの中継地としてのウズベキスタンの歴史や、第二次世界大戦後のシベリア抑留者による歴史的な建造物に興味を持ちやすいからだと考えています。 第二に、日本の介護分野への人材供給として、ウズベキスタンの若者が援助できると感じているからです。介護では特に、高齢者に敬意を持って接することが大切です。考え方や感性の似ているウズベキスタン人は日本の高齢者に受け入れやすいのではないかと思います。
──日本への送り出しについて。
ファジロフ 送り出し機関は民間と政府系の2つに分かれています。その中でも政府系機関「イムコン(IMKON)」では語学教育、職業訓練などに取り組んでいます。 ウズベキスタンの35歳以下の人口割合は65%以上で、総人口も年々増加しています。雇用創生という観点からも人材の送り出しは両国にとって大きな効果が期待できると考えています。
──今後の展望は。
ファジロフ 日本が今後、人材不足をどのように補っていくのかを考えた際に、ウズベキスタンへの関心が高まっていくと思います。様々な業界で交流を発展させて、学術・教育・イノベーションなどの分野でも協力体制を築きたいです。
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