高齢者住まい事業者団体連合会(東京都中央区、略称・高住連)は、会員の学研ココファン、ベネッセスタイルケア、SOMPOケアグループ3社の保有データから、サ高住・住宅型有老入居者と、在宅サービス利用者(独居高齢者)の介護保険利用実績比較データを公表。「大阪府実態調査」とは大きな隔たりがあることがわかった。
高住連がまとめた調査結果によると、要介護1・2の軽度者においては、サ高住・住宅型有老利用者の方が在宅サービス利用者より、介護保険利用額が少ないことがわかった。「環境整備によるADL向上、生活支援サービスの活用などが理由」という。
この結果と比較すると、大阪府実態調査の介護保険利用比率は高い数値を示している。高住連は「大阪府では生活保護受給者の割合が高く、限度額対象外の加算が含まれているなどの要因のほか、事業者によっては、ケアマネジメントの問題や不適切な運営が影響している可能性がある。特に、大阪府実態調査結果の要介護1・2は、やや高すぎる印象」と分析している。
2015年に野村総合研究所が行った調査「物件ごとの生活保護受給者割合」では、住宅型有老の全国平均が17.0%なのに対し大阪府は37.4%、サ高住が全国平均9.6%なのに対し大阪府は22.9%となっている。生活保護受給者には利用者負担がないため、サ高住・住宅型有老の入居者全体のサービス利用実態とは異なる可能性が高まる。
要介護高齢者向けサ高住のサービスの質を左右するのは、ケアマネジャーが作成した「ケアプラン」に委ねられる部分が大きい。過剰な介護サービスの提供などを行わないよう、職員の知識向上に向けた研修会を継続的に行なう事業者が増えている。
高住連は公益社団法人全国有料老人ホーム協会、一般社団法人全国介護付きホーム協会、一般財団法人サービス付き高齢者向け住宅協会、一般社団法人高齢者住宅推進機構の4団体で構成する組織。
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