独立行政法人福祉医療機構(東京都港区)は4日に「社会福祉法人経営動向調査」、5日に「療養病床の今後の方向に関するアンケート調査」の結果を公表。主に、「社会福祉法人の収益はほぼ横ばいで従業員数は低下している」「療養病床を有する1割超の病院が地域包括ケア病床への転換を予定している」とした。
従業員数は低下
「社会福祉法人経営動向調査」の対象は、特別養護老人ホームを運営する495の社会福祉法人。有効回答数は475件。
結果について、社会福祉法人の業況は2期連続で上昇。サービス活動収益・資金繰りは前回からほぼ横ばいだった。また、特養のみの動向としては黒字割合が低下し、従業員数および介護職員数は低下。人件費は上昇しており、稼働率も2期連続で上昇した。
他施設との競合状況についても上昇、待機者も3期ぶりに上昇。いずれの項目も見通しの数値は低下している。
療養病床めぐる転換や医療強化
「療養病床の今後の方向に関するアンケート調査」は、療養病床を有する病院663法人を対象に実施。有効回答数は175件。
本調査により、療養病棟入院基本料1の病床では、11.1%の病院が地域包括ケア病床等への転換を予定していることがわかった。また、療養病棟入院基本料2の病床では、半数の病院が医療機能を強化する方向での病床転換を予定しており、転換時期は今年度および来年度と回答した割合が半数を超えた(65.9%)。
一方で、転換先を「未定」とした病院の中には「報酬単価が魅力的であれば介護医療院への転換を検討する」との意向も多い。 介護療養病床では、現在と同等の療養機能とされる介護医療院を中心に転換先を検討し、一部では医療機能の強化を進める病院もみられた。転換時期については、来年度までの早めの転換が過半数を占めた。
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