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厚生労働省は1日、第367回中央社会保険医療協議会総会を開催。情報通信機器を用いた遠隔診療推進における条件や生活習慣病の重症化予防策、多剤投薬等の適正化など、外来医療に関する議論がなされた。

遠隔診療の推進

電話等の情報通信機器を用いた遠隔診療における論点として挙げられたのは、「報酬上の評価を含む、より適切な対象患者や実施条件について」。電話・ICT等を用いた遠隔診察が「対面診療を補完するもの」であることを前提に、再診として実施可能な「電話等による再診料」は現状、72点とされている。治療上必要な指示を行えば算定可能だ。
これについて、診療側より松本純一委員(日本医師会常任理事)は「対面診療と同等のエビデンスを持たずして、遠隔診察を推進することは認められない。引き続き慎重に検討すべき」と発言。
一方で幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)ら支払い側はこの意見に同意した上で、「通院が困難な人にとって遠隔診療は有用。回数制限など厳格なルールを設けた上で、ICT活用を推進すべき」と強調した。

生活習慣病予防

生活習慣病の重症化予防に関する議論では、間宮清委員(日本労働組合連合会「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)らが「患者本人の行動変容を起こすためにも、アウトカム評価を生活習慣病の議論にも組み込むべき」等と述べた。

多剤投薬適正化

最後に、医療用医薬品であるヒルドイドなどの皮膚保湿剤について、美容目的で多用されている実態を議論。幸野委員は「処方が急増したのが2015年。女性の利用が約5倍になり、約5億円分の処方があった」と指摘した。
これに対し島弘志委員(日本病院会副会長)ら診療側は「小児や高齢者が顔に使用する場合など、保湿剤を処方するケースは多い。必要とする人の使用が妨げられない適正使用の推進を」と訴えた。

そのほか、分割調剤等推進に向けた処方箋様式の見直しに関しては「改定の度に書式が複雑化する」と懸念の声があがった。

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