開設後間もない特別養護老人ホームの4割弱が、職員不足から一部休床や受入制限を余儀なくされている。福祉医療機構が行なった調査で実態が明らかになった。
独立行政法人福祉医療機構(東京都港区)は、開設後2年内の特別養護老人ホームの実態調査を行なった。
入所状況は、開設時の平均28・9%から開設1年6ヵ月時点では同88・5%となった。
入所者確保は、開設前は居宅介護事業所や他の医療機関との連携が効果的に働いており、開設後では、関係施設との連携のほか、見学会や居宅訪問についても効果的とする回答が多かった。
職員の退職については、新設法人(特養新設のため立ち上げた法人)で約44%が1年1ヵ月目までに退職するなど、高い離職率となっている。退職理由としては、新設・既設を問わず職場の人間関係、同業界内での転職を挙げる回答が多かった。
開設後、一部休床や入所者の制限を行った施設は35・9%。理由(複数回答)は、「運営基準上の必要職員数が確保できなかった」「職員が順応しやすいよう順次の受け入れとした」が同率の50・0%で最も多く、次いで「基準上の職員数は満たしていたが、施設独自の配置基準を満たせなかった」が32・1%となった。
また、調査時点でも待機者がいるものの空床がある施設が全体の36・0%(図)あり、理由は職員の確保・定着難に集中した。
調査は特養の開設を検討している事業者に対して、有効な情報を提供することを目的に行ったもの。昨年の8~9月にインターネットで実施した。対象は開設2年以内の特養155施設で、78施設から回答を得た。
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