経済産業省は9日、「将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会」報告書(以下、研究会報告書)を公表。高齢者の社会参加を促し、要介護ニーズを抑え、高齢者を介護の担い手とするなど、人材不足を補う方策を提言した。
担い手不足解消へ 経産省が施策提言
研究会報告書では、介護人材の需給ギャップは、団塊世代が85歳を超える2035年に79万人に達すると試算。これは「一億総活躍社会・介護離職ゼロ」の実現を図る場合の推計で、家族介護を介護サービスで代替するための人材需要がさらに増加するとみている。なお「一億総活躍」を勘案しない場合の人材不足は69万人と推計。
研究会報告書では需給ギャップの解消及び軽減に向け、(1)介護予防の観点から社会参加の促進に向けた方策、(2)介護分野における人材確保力の強化に向けた方策の2つの視点で提言をまとめた。
(1)では、介護予防を推進する上で高齢者の社会参加の促進が重要とし、一方で「高齢者が参加したい活動が見つからない」などのミスマッチが生じていることにフォーカス。魅力的な社会参加の場やサービスの開発により、高齢者のニーズに即したサービス創出に繋げることを提言した。
(2)では、高齢者などの潜在的労働力の活用を進めるべきとし、専門人材を目指さず、周辺業務を担う「介護サポーター」導入を提言。これにより、人材の需給ギャップの軽減のみならず、専門人材の負担軽減や利用者への介護の質向上、介護サポーターの生きがい向上などが期待できるとした。ただし、導入にあたっては、専門人材との役割分担や導入目的の明確化、業務プロセスの見極めなど、マネジメントの強化が重要とした。
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