パートを無期雇用化
パナソニック エイジフリー(大阪市門真市)は業界で初めて、介護職を対象に時給制で勤務時間を選択できる「時間制正社員制度」を2018年4月より導入する。新制度により、パートタイマーは無期雇用の時間制正社員を選択することが可能となる。
厚生労働省が今年6月に発表した「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計」によると、2025年度には介護職員が約253万人必要とされるのに対し、供給の見込みは約215万人と推計され、約38万人の介護職員が不足する見込みだ。そこで同社では、優秀な人材を確保するとともに定着させていくことが、継続的に質の高い介護サービスを提供するためには不可欠であると判断し、時間制正社員制度の導入を決めた。
新制度では、パートタイマーは1年以上勤務すれば、時間制正社員を選択することができ、時間制正社員の時間あたり賃金を正社員と同水準としている。また、退職金制度や福利厚生制度も活用できる。
時間制正社員から正社員、また正社員から時間制正社員を選択した場合でも、キャリアを中断することなく、能力・経験に応じた連続性のある処遇を行うことができるのが最大のメリットとなる。同社は「従業員の自己実現を支援し、モチベーション向上を図るのが狙い。連続したキャリア形成が図れる雇用形態とすることで、能力・経験レベルに応じた適切な処遇を実現したい」と話している。
パナソニックグループの「エイジフリー事業」は、1990年代後半、高齢者の暮らしを支える新たな事業として、介護付有料老人ホーム開設を起点にスタート。2000年の介護保険制度導入により、在宅向けの介護サービスや介護リフォーム、介護用品・設備の開発、ショップ展開へと事業を拡大してきた。現在、サービスや用品レンタル・リフォームを通じて、約10万人の高齢者と家族が利用している。
生涯の住まいとするためのバリアフリー化や、在宅介護サービス拠点の拡充、ケア用品やリフォームといった、介護のある暮らしのインフラづくりを進めていく。
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