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 中央社会保険医療協議会の委員らは13日、支払側診療側双方から2018年度診療報酬改定にむけて基本的な考え方を陳述した。一部のメディアで診療報酬本体の改定率がプラス0・55%などと報じられたことについて中医協の在り方を疑問視する場面もあった。

 

 

マスコミ報道に苦言も
 委員からの意見陳述では支払側は幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)が医療経済実態調査の結果で、国公立病院以外の医療機関は概ね堅調な経営状況であること、デフレ経済下でも診療報酬本体は概ねプラス改定だったため、一般水準とのギャップが大きいことなどをあげ、「マイナス改定とするべき」とした。診療側は松本純一委員(公益社団法人日本医師会常任理事)が「国民皆保険を持続可能なものとするためにも、薬価改定財源は診療報酬本体に充て、プラスとするべき」などと意見書を読み上げそれぞれの主張を展開した。両者の意見は15日にまとめられた後、加藤勝信厚生労働大臣に提出された。

 

 また13日、一般紙などで、診療報酬本体がプラスになるなどとした内容が報道されたことに対して、「改定率が決まっているのなら、中医協の場での見解表明は何のためにやるのか」(幸野委員)など厳しい意見が出た。診療側委員も「報道が先行することがあってはならない」などと反発した。

 

 

新薬加算の扱い各委員から諫言
 個別具体的な項目では、薬価制度の抜本改革に関連して11月に厚生労働省から提案されていた新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象品目を大きく絞り込む案が緩和された。この加算は革新的な新薬の創出や適応外薬等の開発を目的に、後発品のない新薬の薬価を維持するもの。医薬品メーカーが「日本での開発が困難になり、ドラッグ・ラグを誘発する」などとして猛反発していた。

 

 ただしこの修正案については、メーカーの反発を受けた対応であり、既定路線だったはずの抜本改革が後退しているとして診療側・支払側とも再修正を強く求めている。加算を取得できる品目要件・企業要件とも再度見直される見通しだ。

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