内閣府規制改革推進会議の公開ディスカッション「介護サービスの提供と利用の在り方について」が2月21日開催された。当日は「混合介護、保険外サービスのあり方」「情報公表制度・第三者評価制度のあり方」について意見交換が行われた。
当日は、推進会議委員のほか、民間参加者、関係省庁として別掲のメンバーが出席した。第1部「今、介護サービスに何が求められているのか」では、東内氏、香取氏が登壇し、それぞれ「和光市の地域包括ケアの構築に向けた取り組み」「保険給付と保険外サービスの組み合わせ」について解説した。
厚生労働省は「(混合介護などについて)過度の規制緩和は、利用者の負担が不当に拡大する」という懸念を示したが、委員からは「それは保険内・保険外を問わず、事業者に消費者への事前説明を十分に行わせること、それができていない場合にはペナルティーを科すことを徹底すれば良いだけの話。それができていないことの方が問題」と批判する意見が出た。また、混合介護については、保険者により、解釈や取り扱いが大きく異なることが考えられるため、多くの委員から「厚労省でガイドラインを定めて欲しい」との声があがった。
第2部「もっと利用者のサービス選択に役立つ仕組みは何か」では、寺尾氏、新津氏が介護サービス事業者の情報公表制度、第三者評価制度の現状や課題などを報告した。
委員は、2015年度の第三者評価受審率が最も高い特養でも6.41%、訪問介護や通所介護では1%を切っていることを問題視。「受審率が10%を切る制度を実施する意味があるのか。民間事業者に委託した方がいいのでは」などの意見もでた。
太田弘子議長は最後に「消費者被害を防ぐ観点は大事だが、その結果として介護保険サービスの利便性が悪くなっているのではないか」と総括した。
なお、第1部の議論の様子は、3月8日号で詳しく紹介する。
<公開ディスカッション出席者>
新津 ふみ子 一般社団法人全国福祉サービス第三者評価調査者連絡会 会長
香取 幹 一般社団法人日本在宅介護協会 常任理事
寺尾 徹 全国社会福祉協議会 常務理事
笹尾 勝 同 政策企画部長
東内 京一 和光市 保健福祉部長
坂口 卓 厚生労働省 大臣官房審議官
竹林 悟史 同 老健局介護保険計画課長
佐藤 守孝 同 老健局高齢者支援課長
三浦 明 同 老健局振興課長
石垣 健彦 同 社会・援護局福祉基盤課長
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