プラチナ社会研究会(事務局・三菱総合研究所/東京都千代田区)が主催する「日本版CCRC推進会議第4回」が9月4日都内で開催され、介護事業者や行政担当者が出席した。当日は、行政担当者、民間事業者、三菱総研研究員など5名が講演を行った後、パネルディスカッションが行われた。
東京都杉並区と静岡県南伊豆町の両自治体は「アクティブシニアを中心としたお試し移住プロジェクト」について講演した。
これは杉並区に居住する退職後のアクティブシニアに、1週間から数ヵ月程度、最長5年間南伊豆町に移住してもらうというもの。期間終了後は杉並区に戻る、南伊豆町に本格移住するという選択をすることが可能。
南伊豆町は移住者の受け入れのため空き家を町で借り上げ、移住希望者に貸与するなどの体制を整える。また、移住者には各種ボランティア活動や農林漁業体験などをしてもらい、移住先での生きがいづくりや社会関係構築を支援する。
これにより、杉並区にとっては区民の健康寿命促進などの、南伊豆町にとっては定住人口増や地域経済活性化・雇用促進などのメリットが生じるが、一方で多数の移住者があった場合には南伊豆町の救急医療などに不足が生じる可能性があるなどの課題があることも示された。
最後に登壇した三菱総研松田智生主席研究員は、実際にCCRCに移住した人たちへのインタビューを紹介。「移住の動機は『好きだった釣りがしたい』『現役時代に4年間赴任した街に恩返しがしたい』『リタイアを機に別居婚をし、私と妻それぞれが好きなように暮らしたい』というものであり『介護の不安を解消したい』という理由だけでは人は動かない」と解説。
その上で「温泉・ゴルフ場・病院はどこにでもある。選ばれるCCRCを作るには『選ばれる理由』が明確なCCRCでなければならない」と述べた。
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