一般社団法人日本在宅介護協会東京支部(東京都目黒区)は11月25日に在宅医療連携カフェ「退院支援から在宅医療への移行について」を開催した。
医療法人社団三育会新宿ヒロクリニックの英裕雄理事長が退院支援から在宅医療への移行について基調講演を行った。
退院前こそが一番不安な時期であり、その不安を払拭することが退院前カンファレンスの目的だという。安心感を与えるために、病院との連携、緊急時の対応が重要だとした。
また、退院前カンファレンスで確認すべきことのマニュアル化の必要性を述べ、療養希望も含めた自宅での医療行為や診療報酬を理解した上での今後必要な医療の確認が重要だと話した。
医療サービス費用の把握を
その後「チームで進める退院支援と在宅」のテーマでシンポジウムを開催し、英理事長、昭和大学江東豊洲病院の石原ゆきえ看護師係長、ケアサービスの苛原志保部長らが登壇。主に入院前から患者と関わっているケースについて話し合った。
退院前カンファレンスも重要だが、入院前にも情報共有を図る必要性があるという意見が多数あがった。
苛原部長は「当社のケアマネは患者が入院時に必ず病院に連絡を取るようにしている。入院した時に関わらないと、退院支援の時に上手くいかない」と述べた。特に金銭面の情報が重要で、どのような医療サービスを受ける予定で、どれくらい費用がかかるのか把握する必要がある。また、家族とじっくり話すことで、退院後、どのような医療機関に繋げば良いか分かり、家族の安心感にも繋がるという。
石原看護師係長が務めている病院は急性期病院で平均在院日数は8・9日。患者と関わる時間が限られているため、長期間患者と接していたケアマネとの情報共有は必要不可欠だと述べた。
「高齢者の患者になると、本人をないがしろにして家族に相談するケースを目にするが、本人も交えて『退院後どのような生活を送りたいか』という相談の場にしてほしい」(石原看護師係長)
また、英理事長は病状の改善が望めない場合や医療的目標が無い場合について「不必要な入院」と指摘。これを防止するためにも医師とケアマネの連携・情報共有が必要と強調した。
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