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中央社会保険医療協議会は18日、精神医療をテーマに議論した。国は精神疾患患者の長期入院を問題視し、入院期間短縮を進める方針だが、診療側委員からは受け皿が不足する状況で早期退院が進められることを懸念、福祉や住宅施策などの包括的議論を求めた。

厚労省が示したデータでは、精神病床における入院患者数は近年減少しているが認知症者及び65歳以上の患者数は増加傾向にある。また、5年以上の長期入院患者は、2015年6月時点で全体(28万4806人)の6割を超える18万722人。長期入院は医療費の膨張に直結するほか、患者のADL低下にも繋がる。

厚労省は精神病床からの入院患者の退院促進策として、自宅や精神障害者施設のほか特養や老健を退院先に追加する方針を示した。また、在宅医療では入退院を繰り返す重症精神疾患患者に対する集中的な医療提供体制を評価する「精神科重症患者早期集中支援管理料」加算があるが、その要件は24時間往診または訪問看護体制の整備などと厳しく算定診療所は昨年7月時点で22医療機関と広がっていない。

厚労省は診療報酬改定における論点として、在宅時・施設入居時医学総合管理料と精神科重症患者早期集中支援管理料について、評価を見直し早期の退院を促すことを提案したが松本吉郎委員(公益社団法人日本医師会常任理事)は「精神疾患患者の地域移行には、精神科医が必要。一般患者の在宅療養に比べて困難だ。受け皿整備が先ではないか」と指摘。今村聡委員(日本医師会副会長)は「障害福祉施設との連携も重要。論点に明記すべきだ」と述べた。

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