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公益社団法人東京都医師会(東京都千代田区)は3月17日、2018年度東京都多職種連携連絡会シンポジウム「ACP─考えよう人生会議」を医療・介護福祉関係者や行政職員、都民らに向け開催した。

東京都医師会、「繰り返し」が重要
このシンポジウムは、昨年11月30日に「人生会議」と愛称が決まったACP(アドバンス・ケア・プランニング)について考えるのが目的。基調講演では白十字訪問看護ステーションなどを経営するケアーズの秋山正子社長が登壇した。
秋山社長は、あらかじめ人生の最終段階での医療・ケアなどについて本人が考えたり、周囲と話し合ったり、それらを書き残して関係者と共有し、それを繰り返し行うことの大切さに言及。同社のサービス利用者のケースから、本人と家族らで話し合いなどを繰り返すことによって、終末期にも、治療法や食事の摂り方、誤嚥の際の対応、どのようにどこで看取るかなどについて、決めていくことができた事例を紹介した。さらに、大事な点として、利用者や家族が相談できる人を作ることも挙げた。

パネルディスカッションでは、医師、訪問看護師、ケアマネジャー、介護者のサポートに取り組む事業者が、それぞれの視点からACPに対する認識や考え方を語った。
同会の西田伸一理事は、「ACPでは検討を繰り返すとともに、実際に本人の希望が医療に反映されることが重要」と言及。また、認知症の場合では本人の判断能力の評価が十分に行われる必要があるが、日本では法整備がまだ十分でない点も踏まえる必要がある、と指摘した。

一般社団法人東京都訪問看護ステーション協会の椎名美恵子会長は、会議を開く、文書を残すこと自体が目的にならないようにすることが大事で、看取り間際になってしまうとなかなか話がきけなくなることにも留意すべき、と語った。
NPO法人東京都介護支援専門員研究協議会の高岡里佳副理事長は、ケアマネにとっては日々の暮らしの中で一緒に話し合いをしていくプロセスが「暮らしの人生会議」だと思っていること、ケアプラン第1表の「利用者及び家族の生活に対する意向」欄は利用者の意向の一端を表現できるツールなので大事に見てもらえると嬉しい、と説明した。

NPO法人介護者サポートネットワークセンター・アラジンの牧野史子理事長はACPが当たり前の文化になれば、当事者や家族間の不安や意見の食い違いが回避できる可能性が高くなるなどの期待ができる、と言及。そのためには、連携の軸となるコーディネーターの役割が重要になるのではないか、と語った。

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