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日本訪問看護財団が調査

 

(公財)日本訪問看護財団(東京都渋谷区)は5月8日、全国の訪問看護ステーションを対象にした新型コロナウイルス感染症に関する緊急アンケート調査の結果を公表した。実施日は4月16日から24日、同財団会員424ヵ所が回答。感染防護具の不足や訪問看護回数の減少など、深刻な訪問看護の現況が浮き彫りになった。

 

 

アンケートの結果、「利用者やスタッフに感染者または濃厚接触者が出た場合の対応の取り決めについて定めている」と回答した事業所は85.1%だったが、「BCP(事業継続計画書)を作成している」事業所は41.7%にとどまることが判明。「行政や多職種・近隣の訪問看護ステーションとの情報共有や連携をしている」とした事業所も53.1%だった。

 

 

今回の新型コロナ蔓延では訪問看護ステーションの休業も全国で相次いでいるが、「自分の所属する事業所が休業した場合、「利用者を引き受ける他の事業所を決めている」としたのはわずか13.4%で、「決めていない」が39.4%、「検討中」が43.9%で、80%以上の事業所が休業時に利用者を迅速に他所に引き継げる体制にないという深刻な状況が明らかになった。

 

 

 

業務に必要な感染防護具(サージカルマスクやゴーグル、フェイスシールドなど)について、「足りている」とした事業所は15.3%、「足りていない」は84.7%で、依然として医療資材不足が続いている。

 

 

 

訪問看護回数は52.4%が「減少した」と回答。減少理由で最も多いのは「家族・利用者の意思」で50.0%だった。特にリハビリを主としたケアが全体的に減少しており、利用者の体調配慮に加えて、事業者側にも小規模の施設を中心に事業継続できるような経営支援が必要な状況が浮き彫りとなった。

 

 

 

 

オンライン診療希望は6割

 

訪問看護の方法に関しては、電話やオンラインによるビデオ通話などによる特例対応に関し、62.3%が「導入して欲しい」と回答。国は4月24日、「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的取り扱いについて」で、訪問看護に関しても電話などでの対応を特例的に認めており、現場も60%以上が肯定的に認識。「特に必要と思わない」は12.7%にとどまった。

 

 

アンケート実施時点で、電話・オンライン等の訪問看護が必要なケースについては、「状態が安定している利用者」(201名)、「看護師のアセスメントにより訪問を控えたほうがいい利用者」(193名)など。対応可能な内容では「病状観察」の230件が最多。次いで「心理的支援」(211件)、「療養指導及び家族の介護指導」(204件)、「服薬確認」(186件)など。

 

 

 

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