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ユニバーサルデザインフード好調

 

介護食品などの食べやすさの指標となる「ユニバーサルデザインフード」(以下・UDF)を認証している日本介護食品協議会(東京都千代田区)によると、UDFの生産量・生産額は年々増加しており、厨房職員の人材不足により、そのニーズも高まっているという。同協議会の藤崎享事務長に詳しい話を聞いた。

 

 

 

---UDFの現状について。

藤崎 当協議会が実施した2019年の統計では、登録されたUDF商品数は1989品目。年間生産量は約58万トン、年間生産額は約430億円となっており、15年以降増加を続けている(グラフ参照)。前年対比ではそれぞれ、241.5%、150.3%となり、著しく増加している。それは、流通量の多い食パンや活用実績のある介護食品がUDFとして登録されたことによると考えられる。

 

 

 

 

---UDFに対して介護事業者の反応は。

藤崎 介護施設などでは特にニーズが高まっている。その理由は厨房スタッフの人材不足にある。従来のような、施設内で調理したものを提供するというスタイルが難しくなったため、あらかじめ適切に調理されたUDFなどの調理済み食品を取り入れる施設が増加した。運営の負担軽減はもちろん、職員のスキルに依らず、一定品質の食事提供が可能となり、さらにニーズが高まっていった。調理済み食品は異物混入のクレーム削減にも一役買っている。

近年では、経口維持加算などを取得しているなど、利用者の栄養支援に積極的に取り組む介護施設で多く活用されている。

 

 

 

---このような統一規格が必要とされた背景は。

藤崎 UDFの登録は2003年から始まった。その理由として、2000年頃から様々なメーカーが介護食品を販売し始めたことがある。
以前、介護食は各施設での手作りが一般的であった。高齢化とともに介護食品のニーズが高まるとみて、ベビーフードを手掛けていた加工食品メーカーなどの参入が増加した。

しかし、各社がそれぞれの判断基準で「食べやすい」とされる商品を販売することに、業界では危機感が高まっていた。その商品が何を基準として「食べやすい」としているかわからない状態だった。
そこで、それらの企業が集まり基準を定める動きが生まれ、UDFの認証の開始へとつながった。

 

 

 

---今後の課題については。

藤崎 UDF認知度向上を目指す。当協議会が一般向けに実施したインターネットアンケートでは、認知度が13.2に%留まっており、もっと周知を推し進めたい。
介護施設の栄養士などを対象にしたUDF活用に向けたセミナーなどを開催し、普及啓発に努めている。まずは、専門職の人々に使ってもらえるように、専門学会などの場面で積極的に発信していきたい。

 

 

 

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