有料老人ホームを運営するゆうあい(横浜市)はこのほど、介護者の負担を軽減するロボットスーツを試験導入した。経済産業省が推進する「ロボット介護機器導入実証事業」のもと、神奈川県内の「さがみロボット産業特区」で事業を展開する。
介護者の負担を軽減する「マッスルスーツ」を導入。体に装着した装置に圧縮空気を注入することで筋力を補助。重量のある人や物を大きな負担なく移動させることができる。
人工工学に基づくノウハウにより腰関節機構を採用。利用者が自然に動くことができ、違和感なく腰の負担を補助する。ももフレームとの組み合わせで、前傾姿勢でもしゃがんだ状態でも、腰への負担を大幅に軽減する。必要な時に手軽に素早く装着できる。
従来のパワードスーツはモーターで筋力を補助する仕組みが一般的だが、マッスルスーツは人工的に作った筋肉に圧縮空気を注入することで筋力を補助。菊池製作所と東京理科大学が共同で開発した。機器の重量は約6キログラム。「女性職員でも40キログラム程度の物を持ち上げられる」(成田克弘社長)という。
メーカーである菊池製作所(東京都八王子市)、コーディネーターの役目を果たす公益社団法人かながわ福祉サービス振興会、介護事業者のゆうあいが三位一体となって実証実験に取り組む。ゆうあいでは神奈川県内の事業所を中心に6カ所で1台ずつ導入。10月から始まった検証で効果を測定していく。
今回マッスルスーツを導入した様々な事業者の意見や検証結果を踏まえ、製品を改良。今後、普及啓発にも注力する。
国の補助金を活用。ゆうあいの負担は本体1台あたり約16万円、コンプレッサー同約5万円で合計21万円ほどだが、効果測定のための人件費を拠出してもらうため、実質負担はほぼゼロ。
「本格的な導入はまだ先だと思うが、実証実験の結果を踏まえ、介護現場の負担軽減に役立つような製品開発を期待したい」(成田社長)。
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