国立社会保障・人口問題研究所(東京都千代田区)は4月10日、「将来推計人口」を発表。65歳以上の高齢者人口が3935万人とピークを迎えるのは2042年で、高齢化率が30%を超えるのは団塊の世代が75歳以上になる2025年と推計している。
最も実現性が高いとされる出生・死亡がともに「中位」のケースによると、日本の人口は2053年に1億人を割り込み、2065年には8808万人まで減少。高齢者人口は、2065年に3381万人となる。高齢化率は2053年に38%となり、そこから2065年まで38%台前半で推移していく。本格的な「肩車社会」を迎え、50年後には、1・2人の現役世代で1人の高齢者を支えなければいけない。
また総務省は14日、5年ごとに行う国勢調査を基に最新データを算出し、2016年10月1日時点の外国人を含む日本の総人口推計を前年に比べ16万2000人減の、1億2693万3000人(前年比0・13%減)と発表。65歳以上の高齢者は前年比72万3000人増の3459万1000人で、総人口に占める割合は27・3%。75歳以上は1690万8000人で13・3%に達し、いずれも過去最高を更新。
一方、0~14歳の年少人口は1578万人となり、総人口に占める割合は12・4%と過去最低を記録。少子高齢化が一段と進んだ。総人口は6年連続の減少。15~64歳の生産年齢人口が総人口に占める割合は60・3%となり、ピークだった1992年の69・8%に比べ1割近く減少した。在日外国人を除いた2016年10月1日時点の総人口は29万9000人(0・24%)減の1億2502万人で、減少幅は過去最大となった。
新たな課題として、都市と地方の格差だけでなく大都市圏にも格差がつき始めている。人口が増えたのは、東京が0・8%増、沖縄が0・4%増、埼玉と愛知が0・32%増、千葉が0・21%増、神奈川が0・2%増、福岡が0・06%増の7都県に限られ、残る40道府県の人口減少に関西圏も含まれている。総務省は「大阪市以外の市町村の人口減が響いた」とコメントしている。
一方、75歳以上の人口増加率は、埼玉が6・4%で全国トップ。千葉が5・9%、神奈川が5・3%、東京が4・1%と全国平均の3・6%を上回った。
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