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9月1日、堺市を地盤に、住宅型有料老人ホーム「晴れる家」運営など、介護事業を展開するシャロームの新社長に前専務取締役の俣木泰和氏が就任した。新社長としての抱負や、今後の事業の方向性などについてインタビューした。

 

各社員の実力に見合った処遇を

---社長に就任した経緯について教えて下さい。
俣木 当社は9月1日から新年度なのですが、今年度から私が社長となることは前社長(現会長)から1年程前から言われていましたし、社内全体もそういう認識でした。私自身も十分な準備期間がありましたし、実質的には今年7月から社のかじ取りは行っていましたからスムーズな移行でした。

 

----新社長としてまず取り組んだことは何ですか。
俣木 組織改革です。例えばこれまで社員の等級は8段階でしたが細分化して13段階に増やしました。これまでは同じ等級であっても実際には仕事能力などに差が見られました。等級を細かくすることで、より能力に応じた等級にすることができ、処遇などの評価も行いやすくなります。また、これまでよりも上の等級にも上がりやすくなりますから、社員のモチベーション向上にもつながると思います。

 

---逆に、これまでよりも評価が下がる社員もでてきますね。
俣木 今回、会社として初となる降格・減給も一部社員に対して行いました。これまでも社員の能力に応じて処遇などに差は付けてきましたが、「会社として利益が出ているから全員それなりに評価しよう」という考え方になっていました。しかし細かく見ていくと不採算の部門もあります。そうした部門については厳しい評価をし、社員に現状をしっかり認識してもらう必要があると考えました。

 

命令系統を明確に
不動産FCに加盟

---そのように考えた理由は。
俣木 現在、会社として利益は出ていますが、今後は人件費や採用コストの増加、介護報酬引下げなど、社を取り巻く環境は決して楽観視できるものではありません。今後も社を存続させ、大きくしていくには、より強い組織にしていく必要性があると感じました。今回、5つある有料老人ホーム「晴れる家」のガーデン長(施設長)の権限を強化し、ピラミッド型の組織としました。これも指示命令系統を明確にし、より強い組織とするのが狙いです。

 

---この他に、組織改革として行っていること、行っていくことはありますか。
俣木 これは以前から取り組んでいることですが、ペーパーレス化など業務の見直しや効率化です。今後はオフィスのフリーデスク化などにも取り組んでいきたいと思いますし、業務のICT化が進めば事務スタッフなどについては在宅ワークとすることも検討していきます。

 

 

障害者支援の事業拡大検討

---事業の面で新たな取組みなどは。
俣木 9月1日付で不動産チェーンハウスドゥ!のフランチャイズに加盟しました。12月に堺市内に不動産店舗を設けます。運営する高齢者住宅に入居する際に、これまで住んでいた家を売りたい、貸したいといった不動産に関する要望がありました。それに応じていくのが狙いです。

 

 

---介護事業の面ではどうでしょうか。
俣木 現在、大阪府和泉市で就労支援B型事業所を運営していますが、ここが定員いっぱいになっています。ニーズの多さは実感しており、次は地元である堺市で障害者支援事業を行いたいと考えています。
高齢者介護事業については、現在のところは具体的な新設案件はありません。ただし当社の事業所は堺市のほかに大阪市阿倍野区にあり、この間が空白地帯となっています。この間に事業所を設けられれば各事業所の連携も取りやすくなりますので、仮に開設するとすればこのあたりが理想的です。

 

 

---社長自身「介護甲子園」の運営メンバーとなったり、漫才コンテスト「M-1グランプリ」にエントリーしたりしていますが、こちらの方は今後どうしますか。
俣木 これらについては、会社のためではなく、介護業界全体の認知度向上・イメージアップのための活動であり、私個人のライフワークとして考えています。今後も業界にとってプラスになるものであれば、どんどん行っていきたいと考えています。

 

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