保団連、かかりつけ医の理解が重要
「第34回 保団連医療研究フォーラム」が10月13日・14日、大阪市で開催された。
主催は全国保険医団体連合会(東京都渋谷区)。「過去・いま・未来 これからの医療をデザインする」のメインテーマのもと、講演や分科会、シンポジウムなどが行われた。
2日目には一般市民も無料で聴講可能なシンポジウムが行われた。その一つ「輝け!いのち 自分らしさを求めて…『LGBT』を知る」ではLGBT当事者らが登壇し、G7諸国の中で同性婚が認められないのは日本だけ、などLGBTに対する理解や法整備が進んでいない状況を訴えた。
特に、LGBTへの対応不足が医療現場で問題になる点について、宝塚大学の日高庸晴教授は「患者の病状説明、医療同意書などについて、同性パートナーは『家族ではない』として、認めない医療機関がある」と指摘した。
精神科医の清水聖保氏は、医師は患者の保険証に記載されている性別以外に性別確認手段がないという現実に触れ、本人が早い段階で医師にLGBTであることを伝えることが治療に向けた正しいアプローチのためには重要と訴えた。そのためには、かかりつけ医がLGBTについて正しく理解し、本人が相談しやすい環境を整える必要があると主張した。
また、LGBT当事者である東小雪氏は「当事者からカミングアウトを受けた人が絶対にしてはいけないのが、無断でそれを第三者に暴露すること。仮に業務上の引継ぎなどで必要性があったとしても、必ず本人の同意を得るように」と注意を呼び掛けた。
また、医療従事者がLGBTである場合の問題点として、やはりLGBT当事者である歯科医師の山田美香氏は「女性が男性に戸籍を変えることはできても、学歴は消せない。○○女子医大卒業などの経歴が、周囲に『元女性である』と知らせることになり、当人の精神的苦痛につながる」などと主張した。
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