厚生労働省は10月28日、社会保障審議会 介護保険部会を開催。被保険者・受給者範囲、補足給付、要介護1・2の地域支援事業への移行などについて議論が交わされた。その中で「ケアマネジメントに関する給付の在り方」では負担について意見が割れた。
ケアマネジメントに利用者負担を求めるという議論は、2010年頃から約10年間にわたり賛否の意見が対立してきた。
ケアマネとしての業務負担は大きくなってきているものの、それに見合った処遇がなされていないという過去の議論も踏まえ厚労省は意見を求めた。
日本介護福祉士会会長の石本淳也委員や日本慢性期医療協会会長の武久洋三委員らは、費用負担を強いることで自立につながらない「利用者言いなりのセルフケアプラン」が増えることを危惧。利用者・家族がより自分本位な介護を求めるようになり、ケアマネの知見が生かされなくなってしまうと懸念している。
賛成の立場を取る日本経済団体連合会常務理事の井上隆委員は、制度開始から時間が経ち「利用者は定着している。一定の利用者負担はやむを得ない」とした。また、そのほかの賛成意見として、「質の高いケアマネジメントを提供するという観点からも自己負担を導入すべき」「セルフケアプランでの介護保険サービスは給付から外すことを検討すべき」といった声があがっている。
今後は介護保険外を組み合わせる「混合介護」も増えてくるだろう。また、2025年以降は求めるサービス水準が高いといわれる団塊世代が一斉に押し寄せてくる。ケアマネはより一層調整能力が必要になってくる。
10年にわたり議論されてきたケアプラン作成の自己負担についてはまだまだ議論の余地がありそうだ。
【厚労省が示した論点】
・医療との連係やインフォーマルサービス等の活用など、ケアマネジメントが担う役割の変化や、
・ケアマネージャーの処遇改善や事務負担の軽減等により、その力を十分に発揮できる環境を整備し、自立支援・重度化防止の実現に向けた質の高いケアマネジメントを実現していく観点、
・ケアマネジメントと他のサービスとの均衡や相違点、給付の見直しが利用者やケアマネジメントに与える影響
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