全国の介護医療院の施設数は9月末時点で248施設になったことが厚生労働省の調査で分かった。前回6月末時点の調査からは25施設増。介護医療院は第7期の介護保険事業計画で導入された目玉施策だが、地方自治体には介護保険財政悪化への懸念もある。
厚労省 普及進める方針示す
介護医療院は2024年で廃止される介護療養病床の「受け皿」の一つとして導入された、新類型の施設。今回の統計は14日に開かれた社会保障審議会介護保険部会で示された。
内訳は、施設基準が医師配置48対1の「I型」が166施設、老健施設相当の「Ⅱ型」が80施設、混合型が2施設。転換元の比率は介護療養病床が67%、介護療養型老健が16.1%、医療療養病床が16.5%。また、都道府県別の開設状況は、岩手、宮城、新潟、宮崎の4県で未開設状態が続いている。
この日の介護保険部会で、厚労省は医療・介護連携推進事業の基盤としても、介護医療院の普及を進める方針を示した。
各委員からは前向きな評価意見が相次いだが、全国市長会と全国町村会の代表委員は「介護保険料の負担が大きくなりかねない」「医療保険から介護保険への付け替えではないか」といった意見を表明。国や都道府県からの財政支援や設置要件緩和を求めた。
これに対して厚労省側は「介護医療院は特養などと同様に広域の人が入所・利用する施設」とし、介護保険財政への過度の影響は少ないと説明。介護療養病床の稼働状況等を踏まえた地域医療の実態との整合性が重要なため、地方自治体の理解を促していく考えを示した。
現在の制度では、主に事業者を対象にした支援策が講じられている。介護療養病床などから介護医療院へ転換する際には、助成金の交付や研修事業などに加え、移行定着支援加算(移行届け日から1年間)を21年3月末までは届け出ることができる。また、自治体の介護保険事業(支援)計画で介護医療院については、「必要入所(利用)定員総数」は定めないことにしている。
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