エコナビスタ(東京都千代田区)は、専門医と連携した高齢者見守りシステム「ライフリズムナビ+Dr.」を高齢者施設に向けて展開している。昨年11月、顔認証システムを提供するグローリー(兵庫県姫路市)と協業。2月に顔認証システムと連携した「離設事故防止システム」を提供する。
エコナビスタとグローリー協業
ライフリズムナビ+Dr.は、利用者の体調の急変や事故を未然に防ぐため、大阪市立大学医学部疲労医学講座と共同開発された。センサーマット、人感センサー、温湿度センサーなどの非接触センサーで見守る。カメラを使わないためプライバシーを確保できる。
各種センサーから取得したデータを専門クリニックが1分毎に24時間自動受信。「疲労回復指数」「快眠指数」「睡眠環境指数」を健康の目安とした独自のアルゴリズムでデータを解析。毎月、健康アドバイスとレポートを提供。異常時にはリアルタイムで通知する。
また、情報をパソコンやスマホで見える化。1日の変化だけでなく、1ヵ月単位での変化も表示。高齢者施設向けでは、居室一覧やアラート履歴を見やすく表示、利用者の状況を把握できる。
利用者の安全確保へ
グローリーの顔認証システムは、通貨処理技術で培った認識・識別技術を活用。監視カメラが離設者の顔を感知すると、リアルタイムで登録者情報と照合して通知する。認証では、対象人物の顔100ヵ所の特徴を検出して比較。メガネなどの局所的な変化に強く、経年変化にも対応し高い認証力を誇る。また、顔の撮影から認証完了まで平均1秒以内を実現している。
グローリーの生体・画像認識販売企画一部の越智康雄部長は「スタッフによる見守りで毎年6名程度の離設があった施設が、当社のシステムを導入したところ離設がなくなったケースがある。施設が離設と判断する動線で検知するためのカメラの設置、ソフトウェアの提供も可能だ」と語る。
システムの連携によって、利用者の写真を登録すると、グローリーの顔認証システムが登録された人物を瞬時に検知、ライフリズムナビ+Dr.のアプリなどで担当者に通知する。階層や担当者ごとの通知設定もできる。リアルタイムで検知ができるため、離設による事件・事故を防止。入居者の安全の確保、施設の信頼性向上、職員の負担軽減に効果的だという。
エコナビスタの渡邉君人社長は「それぞれのシステムで管理する場合、スタッフの負担になってしまう。居室・離設を統合して見守れるソリューションが必要だと感じた」と語る。
エコナビスタのライフリズムナビ+Dr.は最小構成セット(ハード込み)で1部屋あたり8万6000円〜、グローリーの顔認証システムはハード込みで1ヵ所あたり150万円〜で導入可能。
今後は、骨格認識技術で転倒姿勢・動作を検知して、事故を未然に防止するソリューションを提供予定だという。
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow @kj_shimbun