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 独立行政法人福祉医療機構(以下・WAM/東京都港区)は10日、2018年度の社会福祉法人の経営状況について行った調査・分析結果を報告。赤字法人の割合は前年度から4.0ポイント拡大し28.8%となり、過去4年間で最も高い水準となった。

 

 

 

人件費率67%に、課題は人材確保

 

本調査は、8350法人を対象に行ったもの。調査対象の属性としては、介護保険事業を主とする法人が全体の40.2%で最多、次いで保育事業を主とする法人が37.5%。前年度と18年度の経営状況を比較した後、赤字法人の特徴、人材確保の状況などを分析し、社会福祉法人の経営状況を概観した。

 

前年度との経営状況の比較を見ると、19年度のプラス改定により従事者1人当たりサービス活動収益は587万7000円と前年度より8万6000円増加。一方で、サービス活動収益対サービス活動増減差額比率は低下、赤字法人割合は28.8%と過去4年間で最も高い結果となった。

 

人材不足などを背景として、従事者1人当たり人件費は7万2000円増加。増収分の8割超は人件費として支出された計算になる。結果、人件費率は67.1%と前年度から0.2ポイント増加。15年度から赤字法人の割合は増え続けており、経営環境は年々厳しさを増しているようだ。

 

黒字法人と赤字法人の経営状況の比較において、最も大きな差がみられるのは人件費率。赤字法人では70.5%と黒字法人よりも4.6ポイント高かった。一方で、赤字法人の従事者1人当たりサービス活動収益は564万8000円と31万円低く、黒字法人と赤字法人との差が大きいのは、費用面よりはむしろ収益面と言える。

 

 

 

 

WAMは「赤字の改善を目指すには、人件費のコントロールよりもまずはサービス活動収益を増加させ、収益面の安定をはかることに主眼を置く必要がある」としている。

 

人材の確保状況について、社会福祉法人全体の職員の採用率は16.3%と報告(表参照)。うち新卒採用率は2.2%、中途採用率は14.1%で、18年度採用の大部分は中途採用職員であった。18年度に新卒者の採用がなかった法人は全体の41.9%に上る。

 

離職率は、介護保険事業主体法人が15.9%と比較的高く、障害福祉サービス事業主体法人は11.7%と最も低い。職員全体のうち離職した就職後1年未満の職員の割合は4.5%、同3年未満の職員の割合は8.4%。離職した職員のうち半数以上を就職後3年未満の職員が占めており、職員の定着が大きな課題であるようだ。

 

 

 

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