今、我が国で一番の課題、取り組み事項は「新型コロナウイルス対策」だろう。外国人技能実習事業に係る方に関しても大きな課題を投げ掛けている。現地面接においては、感染リスクの懸念からキャンセルが相次いでいるのではないだろうか。急遽、オンライン面接などに切り替え対応している団体が大半だろうと推測される。早く終息することを願いたい。
この新型コロナウイルスに関する対応について外国人技能実習機構より通達が出ているので一部紹介しておきたい。
〇職場における感染防止対策を徹底するとともに、技能実習生に対して手洗いや咳エチケット、マスク着用などの指導を行ってください。
〇37.5度以上の熱が続くなど、新型コロナウイルスの感染が疑われる場合は、実習実施者または監理団体から「帰国者・接触者相談センター」に連絡してください。
介護の現場においては、既に徹底されていると思われる内容だが、技能実習生に対する周知は進んでいるだろうか? 実習実施者や監理団体は、厚生労働省のホームページなどの情報を参考にしながら技能実習生からの相談に丁寧に対応していくべきである。
また、外国人技能実習機構の母国語相談窓口では新型コロナウイルスに関することを含め、生活面の相談を受け付けているので、利活用してもらうためにもその存在を知ってもらう必要がある。また、日本語が不得意な技能実習生の場合、症状をうまく医療機関に伝えられなかったり、医師からの指示を十分に理解できなかったりすることが考えられる。
技能実習生が病院に行く場合は、必要に応じて通訳が同行するなど、円滑な受診ができるように配慮することが求められるので、監理団体などからの発信は重要である。
労務管理においては日本人労働者と同様の取り扱いをしなければならないとあるので厚生労働省ホームページなどは必ず目を通しておいて欲しい。
また、厚生労働省の3月4日付の発表には新型コロナウイルスに関する質問と答えを、法務省がやさしい日本語で書いている。まだ伝えていない実習実施者はすぐにでも配布してあげて欲しい。
庄司孝正氏
ライフケア医療介護事業協同組合 専務理事
1999年から大手企業グループで介護保険制度スタートに伴う新規事業立ち上げプロジェクトに参画。以降およそ20年にわたって介護業界に身を置き、施設運営や企業経営などに従事。2017年からライフケア医療介護事業協同組合の専務理事を務めている。現在は監理団体での外国人技能実習制度に関する業務に携わるほか、介護分野における同制度の普及・啓発に向けた活動を行う。
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