「サービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会」(座長・高橋紘士高齢者住宅財団理事長)は、4月7日第4回検討会を行い、中間とりまとめ案を発表した。案では、サ付き住宅の整備補助金申請に際して地元自治体の同意を得ること、などがうたわれている。案については、大筋で了承された。
高齢者の数と整備状況合わず
案では、現状のサ付き住宅の供給状況については「供給は伸びているものの、地域によりばらつきがあり、今後高齢者の増加が見込まれる首都圏の一部地域等では全国平均より整備率が低い状況。
一方で、高齢者人口に比べて供給の多い地域のサ付き住宅ほど、市街化区域外や、公共交通機関・医療機関へのアクセスが悪い地域への立地がみられる」とバランスの悪さを指摘。その解決策として、必要性の高い地域に整備されるサ付き住宅とそうでない住宅については整備補助の扱いを変える方策を示した。
具体的には整備補助金申請に際しては、(1)都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画を定めた市町村においては、居住誘導区域外に整備する場合には市町村の同意を得るべき(2)立地適正化計画を定めていない市町村においては、市街化区域外等に整備するものについては同意を求めることを検討する。
つまり、市町村が整備を促進させたい地域以外で供給されるサ付き住宅については、補助金が申請できない可能性もある。国土交通省関係者からは「省としては、居住誘導区域内に整備する場合には現状の1戸100万円以上の補助額とすることも考えているが、総額を一定以内に抑えるために、それ以外の地域に整備する物件については100万円以下にせざるを得ない」との声もでており、今後は整備する場所によって補助適用の有無、補助額について差が生じることも考えられる。
今後の整備に関する補助金・税・低利融資の支援については、「前述した供給方針に適合するものに重点化する方向で今年度中に検討する」としている。
既存ストック活用して整備
このほか、廃校となった学校など公的な不動産(PRE)を活用したり、既存ストックを活用したりするなどした比較的低廉な価格でのサ付き住宅の整備を推進する。
それに向け、規制の緩和や整備支援の拡充なども行う考えを示している。これも、既存ストックを改修して供給されたサ付き住宅は、2013年度までで全体の約7%にとどまっているという現状を反映してのものだ。
また、サ付き住宅の質に関する取り組みとしては、地域の要介護者等の受け皿としての機能と、地域へのサービス供給の拠点としての機能を併せ持つサ付き住宅を「拠点型サ付き住宅」として、地域の実情に応じて日常生活圏域単位で整備を推進していく。具体的には、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護、在宅療養支援診療所、訪問看護ステーションなどの整備に対する重点的支援などを行う。
また、拠点型サ付き住宅の供給方針について、市町村の高齢者居住安定確保計画で明示することを促進する。
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