整備費・運営費に助成
一般社団法人JOS (大阪市)は、企業主導型保育事業のコンサルティングに注力している。2016年度から始まった制度で国は民間企業の保育事業への参入を後押ししている。同法人では、慢性的な人材不足状態の介護事業者や医療機関に対して、保育事業の提案を強化。申請から開設準備、運営安定化までトータルにサポートしているのが強みだ。
JOS、開設を総合支援
このほど、今年度の企業主導型保育事業の募集が開始された。募集期間は4月20日から5月29日まで。募集枠(施設定員数ベース)は2万人程度。審査手順により選定された事業者に対してのみ助成を行う。
待機児童の解消に
企業主導型保育事業では、働き方に応じた多様で柔軟な保育サービスを提供できるのが特色。待機児童の解消を図り、仕事と子育ての両立を促すのが狙い。延長・夜間・土日の保育や、短時間、週二日のみの利用も可能。単独設置型の他、複数の企業が共同で設置することもできる。地域住民の子どもの受け入れにも対応。自治体を通さずに運営費・整備費について認可施設並みの助成が受けられる。
整備費の助成は「新築」、「増設」、「大規模修繕等」が対象。概ね総額の4分の3が助成されるが、そのうち大規模修繕等については、今年度から運営費の加算(改修支援加算)として10年間に分割して助成することに変更。
改修支援加算は基本分(ア)と加算分(イ)からなり、その合計額と建物の改修に要した費用に4分の3を乗じた額を比較して、いずれか低い方が助成額。それを10分の1ずつ、10年間に限り助成する。基本分(ア)の助成額は定員19名以下の場合1500万円、同20〜59名以下の場合2400万円。児童の安全性を考慮した整備にかかる加算分(イ)は1138万円。
改修実施加算は初年度のみの助成で、賃貸物件の改修工事の着工から完了までの賃借料などが該当する。18年度までの助成決定は、約2600施設・約6万人分。今年度分を含め、10万人分以上が整備される見通し。
同法人では、企業主導型保育事業の立ち上げで30件以上の実績を有す。立ち上げ前の市場調査から、開設、運営の安定化までトータルで支援。
保育従事者の要件は、保育士か保育研修修了者で、半数が上記の資格保有者であることを満たす必要がある。同法人の試算によれば、定員が19名の場合、利益率は1年目が7%台、2年目以降が10%以上。損益分岐点は15名となる。コンサルティング料金は、整備支援、運営支援が各200万円(19名定員の場合)。立ち入り調査対策や監査対策にもその都度の料金体系で応じる。
「当社の企業主導型保育コンサルティングは、福利厚生としての一面はもちろん、将来的な成長マーケットとなる学童保育まで視野に入れた保育事業として捉えている」(JOS コンサルタント・武田浩和氏)。
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