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やさしい手(東京都目黒区)は4月、運営するショートステイにおいて新型コロナウイルス陽性者の濃厚接触者の対応を行った。受入れ後に濃厚接触者であることが発覚したケースだが、介護サービスを利用している高齢者の家族が陽性となった場合、こうした事態は全国各地の介護事業所で起こりうる。同社では、この対応をもとにどのような方針を定めたのか。東京西支社の大竹裕副支社長に話を聞いた。

 

 

 

やさしい手 対応を語る

――濃厚接触者(以下・A様)の受入れに至った経緯を教えてください。
大竹 ご家族の体調不良や新型コロナ感染の可能性といった話はなく、通常の受入れと同様に対応しました。保健所からの連絡でご家族(以下・B様)の陽性診断が判明したのは、ショート利用3日目でした。しかし濃厚接触者であるA様の受入れ医療機関は見つからず、金曜だったこともあり保健所からは「週明けに再度探します」と。都度、保健所の指示を受けながら、ほかのご利用者や職員に細心の注意を払いながら対応しました。

 

 

 

――具体的には。
大竹 まず、すぐに利用予定の方に濃厚接触者が発生した旨を伝え、自粛を促しました。続いて、同フロア間で他利用者との接触が起こらないようA様の居室をフロア移動し、利用していた居室およびフロア全体を清掃・消毒してクローズ。利用中の方にも居室移動などしてもらい、通常通りの対応に努めながら、感染予防策に基づき健康観察などを行いました。

保健所の指導に従い、感染症対応策を徹底した

 

 

――職員への対応は。
大竹 A様に接触する職員を減らすため、シフトに沿って担当を固定としました。また、対応にあたった職員の経過観察をこまめに行い、情報共有に努めました。

 

 

 

――週明けの保健所の対応とその後については。
大竹 週明けを待たず、念のため同居でないご家族(以下・C様)に連絡を取り、A様の受入れをご提案しました。月曜に保健所から連絡がありましたがやはり受入れ医療機関はみつからず、保健所からもC様に連絡をとり在宅での支援を助言。翌日、C様のお迎えでA様はご退去されました。

 

 

 

――本件を踏まえた貴社の新型コロナ対応方針を聞かせてください。
大竹 大きく3点あり、まずは有事の際に宿泊者を減少させる努力を行うこと。利用予定者に自粛を促したり、利用中の方にも情報開示をし、自宅に戻れる方には戻っていただくことで、クラスター発生リスクの減少につながると思います。次に出勤者を減らし、職員には対応に備えて自宅で休暇をとってもらうこと。そして、防衛策として看護師配置を増やすことを検討しています。

 

 

今回のA様は、その後症状も見られず陰性だったとのことで、B様の陽性発覚から2週間後、クローズしたフロアの運営も再開しました。当社はサービス継続の視点に立ち、職員への感染予防策の徹底と、会社としての対応に取り組んでいく方針です。

 

 

 

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