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新型コロナウイルス感染症の拡大で緊急的に導入された「雇用調整助成金特例」。しかし、申請基準要件の判断が悩みの種になっている。特に実務的判断が難しい「生産指標要件」について、法律事務所かなめ(大阪市)代表弁護士の畑山浩俊氏と、オフィスT&D Faith経営労務事務所(大阪市)代表で社会保険労務士の高田崇一氏に、Q&Aで解説してもらった。

 

社会保険労務士 高田崇一氏

弁護士 畑山浩俊氏

 

Q1 雇用調整助成金の特例では、生産指標要件が緩和され「1ヵ月5%以上低下(前年比)」が要件と聞きました。ただ、当社は、複数展開している事業所であり、特定の事業所では生産指標要件を満たすものの、全体の売上で見ると、2%程度しか低下していません。このような場合、雇用調整助成金の活用はできないのでしょうか?

 

A1 原則、雇用調整助成金の特例は、「企業ごと」ではなく、雇用保険適用事業所番号ごとで考えることになります。従って、事業所ごとに雇用保険適用事業所番号を取得されている場合であれば、事業所ごとの生産指標要件を考えることになります。御社のケースでも、雇用保険適用事業所番号の取得状況がどのようになっているのか、確認して下さい。

 

 

 

Q2 雇用保険適用事業所番号は法人全体で一つになっていました。このような場合、やはり事業所全体で生産指標要件の充足性が判断されるのでしょうか。各事業所で雇用調整助成金を活用する手段はないでしょうか?

 

A2 その場合であっても、雇用保険の非該当承認を受けている事業所であれば、その支店のみで生産指標要件の充足性を検討することが可能であることを、大阪労働局の担当者が示唆しています。(参考:大阪府社会保険労務士会HP説明動画)

 

 

 

Q3 「非該当承認」とは何でしょうか。どのような手続きを履践すれば良いのでしょうか?

 

A3 雇用保険に関する事務処理は、原則は事業所ごとに行うこととなっていますが、労働者が役務を提供する場所又は施設(支店、営業所、出張所等)が、次の要件にすべて該当し、独立した事業所と認められないときは、下記の書類を提出して承認を受ければ、直近上位の主たる事業所(本社、支社等)で、一括して雇用保険関係被保険者に関する一切の手続きを行うことができます。これを一般的に「非該当承認」と言います。

 

 

<事業所非該当承認基準>
① 人事、経理、経営(又は業務)上の指揮監督、賃金の計算、支払等に独立性がないこと。
② 健康保険、労災保険等他の社会保険についても主たる事業所で一括処理されていること。
③ 労働者名簿、賃金台帳等が主たる事業所に備え付けられていること。
<手続き>
提出書類………「雇用保険事業所非該当承認申請書」(4枚1組)
・ 提出期日…… 申請しようとする都度速やかに
・ 提出先………非該当承認対象施設の所在地を管轄するハローワーク
※ 原則として、継続事業の一括が認可されている施設については、事業所非該当承認
の対象にはなりません。
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