スポンサーリンク

 香川県下で医療機関や介護施設を展開する社会福祉法人敬世会グループのCEK(香川県坂出市)はこのほど、訪問看護・介護事業者向けのシステムの販売を開始した。現場と本部事務所でリアルタイムな情報共有が可能。記録を簡単に行え、サービスの質の均一化と向上に役立つ。新日鉄住金ソリューションと共同開発した。

「利用者の状態変化の確認に手間がかかる」
「記録や申し送りのためだけに事務所へ出社する時間が負担」

 こうした現場の介護職の悩みに応えたのが「Careluxl」(ケアラクスル)。訪問看護・訪問介護の現場スタッフのみならず、事業所・経営者を加えた3つの視点で、訪問計画の作成から現場記録までの業務を支援。事業運営の効率化・省力化を最大限図った。

 ボタンひとつで最適な訪問スケジュールの作成が可能。利用者の住まいや相性など様々な条件をもとに最適なスケジュールをシステムが自動作成する。非常勤職員の効果的な配置も実現する。現場で入力した記録(申し送り事項・サービス開始終了時間履歴など)を事業所側でリアルタイムに確認可能。

 画面デザインはシンプルでマニュアルがなくても分かりやすい作り。帳票類は紙ベースにそのまま入力していくイメージで操作性を格段に高めた。タッチペンによる項目選択、定型文リストによる文章選択など簡易入力機能を実装。PCに不慣れな場合でも、現場スタッフの負荷を最小限に抑えることができる。サービス利用者や事業所責任者による電子署名が可能になった。

 請求業務についても既存の請求ソフトとの自動連携により入力し直す必要がなく、事務処理負担からスタッフを開放。効率化を図り、残業時間の短縮につながる。

 看護師・介護士が携帯する現場のタブレットと事業所のパソコンはサーバーを通じ接続。

 「現場入力が可能となり、直行直帰を実現。紙文書管理の負担が軽減され、事業所による情報の一元管理がしやすくなる」(永井智恵子社長)。

 同社の訪問看護事業所でシステム導入前・導入後の各9ヵ月の効果を調べたところ、収入は57%増加。1日の訪問件数はこれまでの1・5倍となった。また請求処理業務も大幅に短縮した。

 セキュリティも万全。認証キー(USBなど)を挿入し、本人以外の利用を制御。タブレットにはデータを一切保存せず、サーバーのみにデータを保存する。3省(総務・経産・厚労)のセキュリティガイドラインに準拠している。

 導入費用は1ライセンスで6000円。パソコン・タブレット費用、通信費は別途。

 先月、公益法人かがわ産業支援財団の「かがわ中小企業応援ファンド事業助成金」の交付が決定。新たに医療情報システムとの連携や医師・ケアマネジャーとの連携機能拡張を検証する。

この記事は有料会員記事です。
スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう