生活機能向上連携加算は「西高東低」――2021年度の介護報酬改定に向けていよいよ議論が具体化する中、1日に厚生労働省が社会保障審議会介護給付費分科会で公表した資料でいくつかの興味深い結果が出ている。同加算の算定状況について、総じて西日本の自治体で高く、東日本の自治体での算定が低迷しているといった状況だ。
「西高東低」の傾向が露わに
18年度介護報酬改定では、外部の通所リハビリテーション事業所などのリハ専門職や医師などと連携した計画に基づく「生活機能向上連携加算」の見直しが行われた。今回の調査で厚労省は介護保険総合データベースを用いて介護サービス事業所、施設全体での加算の算定状況、都道府県別、法人種別での集計などを行い、結果を公表した。
生活機能向上連携加算を算定している事業所・施設は、全事業所・施設ベースで3.1%。サービス種別では、認知症対応型共同生活介護(7.6%)、介護老人福祉施設(6.3%)の算定率が他のサービス種別よりも高かった。
法人種別では、全事業所・施設ベースで、医療法人(13.7%)が最も多く算定。次いで生協(6.8%)で、特に認知症対応型共同生活介護で生協が22.1%と多かった。
特徴的なのは、都道府県別での算定率のばらつきだ。最も高いのは徳島県の8.7%で322ヵ所中28ヵ所が算定。逆に最も低い秋田県は0.8%で365ヵ所中3ヵ所のみの算定だった。純粋な施設数をみると、大阪府が145ヵ所で最多なのに対し、例えば東京都でも68ヵ所にとどまる。全体に算定率は「西高東低」の模様となっている。
徳島県の算定率が最も高くなった理由について、徳島県慢性期医療協会の保岡正治会長は明確な理由は不明としつつも、「本県では算定施設の絶対数が少ないこと、民間の医療法人の小規模病院が多く、介護事業所の併設が多いこと、県内一円で社会福祉法人健祥会の介護事業所が相当数あり、医療レベル、つまりリハビリの成果をあげるために自前のリハ専門校から施設にPTやOTを派遣していることが考えられる」とその理由を分析している。
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