自治体向け、今夏公表
厚生労働省による「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会」(座長=田中滋埼玉県立大学理事長)の第3回会合が6月18日に開かれ、要介護(支援)者を対象とした介護保険で実施する生活期リハの構築に関する手引きの案が示された。
6月29日開催予定の次回検討会で最終案と報告書をとりまとめ、第8期介護保険事業(支援)計画の策定に向けて、今夏に全国自治体に提示する方針が固まった。
生活期重視を強調
6月18日に提示された手引き案はA4 版で41ページ。地域包括ケアシステムの構築が進む中で、医療保険で行う急性期・回復期リハと介護保険で行う生活期リハの切れ目のないサービス提供が必要であることを強調。連携促進のための具体的な構築方法を示す内容になっている。
生活期リハの基本理念として、運動機能や栄養状態といった身体機能の改善に加え、「心身機能」「活動」「参加」の必要性を指摘。その上で、介護保険の生活期リハとして、訪問リハ、通所リハ、介護老人保健施設、介護医療院による4つのサービスに具体的な焦点を当て、各自治体には、地域で目指すべきリハサービスの提供体制や実現施策の具体化を求めている。
また、4つのサービス以外にも医療サービス、居宅サービスや介護予防事業との連携に言及している。
介護保険事業(支援)計画における生活期リハ促進の計画策定と進捗管理に関しては、兵庫県と京都府の事例を用いながら、PDCAサイクルの徹底を要請。
評価指標としては、ストラクチャー指標(施設や事業所の物的・人的な資源など)、プロセス指標(介護サービス提供施設や居宅介護支援事業所との連携活動)、アウトカム指標(高齢者や要介護あるいは要支援認定者の状態や変化)の活用を推奨している。
アウトカム指標について、厚労省はADL(日常生活動作)、IADL(手段的日常生活動作)について、VISITやCHASEを通じて通所・訪問リハの質、高齢者の状態・ケアの内容などに関するデータを収集・蓄積していく予定だが、今回の手引き案では、あくまで「将来的な評価項目」としての例示にとどめられる見通しだ。
なお、厚労省はリハビリテーション指標について、8月から「地域包括ケア『見える化』システム」に掲載。参考指標に関し、Excel形式のデータ提供も行う。
指標案に追加
18日の会合で厚労省は、これまでの議論を踏まえて指標の追加項目案を示した。新たに示された項目は、ストラクチャー指標が1つ、プロセス指標が3つとなっている(図表参照)。
第2回検討会までに示されていたのは、ストラクチャー指標案が
▽サービス提供事業所数(訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション・介護老人保健施設・介護医療院)
▽定員数(サービス種類別)
▽理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の従事者数(サービス種類別)
の3項目。
プロセス指標案が
▽利用率(訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション・介護老人保健施設・介護医療院)
▽短期集中(個別)リハビリテーション実施加算算定者数
▽認知症短期集中リハビリテーション実施加算算定者数
▽個別リハビリテーション実施加算算定者数
▽生活機能向上連携加算算定者数
▽経口維持加算算定者数
の6項目だった。
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