介護施設など優先実施要請
広島県知事の湯﨑英彦氏、東京財団政策研究所研究主幹で慶應義塾大学客員教授の小林慶一郎氏、経営共創基盤代表取締役CEOの冨山和彦氏が6月18日、日本記者クラブでオンライン会見を開き、新型コロナ対策に向けた「積極的感染防止戦略による経済社会活動の正常化に向けた緊急提言」を発表した。同提言には経済、医療、スポーツ、文化、メディアなど各界の有識者100名以上が名を連ねて賛同している。
提言では
▽医療提供体制の機動的増強と、検査+接触者調査+治療・療養のための体制の大幅増強による「積極的感染防止戦略」
▽感染症のリスクを広く国民に正確に説明するとともに、有症者と幅広い接触者、医療・介護・障害福祉施設、海外からの入国者などを対象にした優先的なPCR検査の実施
▽第2波に備え、9月末までに1日10万件、11月末までに1日20万件の検査と必要な診察ができるような検査・医療体制の整備
▽時間軸、数量目標などを明記した検査と医療の増強計画の公表
などを求めている。
1日当たり10万件から20万件の検査の具体的方法としては「症状の有無を問わず幅広く検体を採取したうえで、大規模・迅速な検査のため、抗原検査・抗体検査の活用や、検体をプールしてまとめてPCR検査し、陽性判明の場合に個別検査を行う方法も検討しておくべき」としている。
湯﨑氏ら知事有志は、大規模なPCR検査実施などを求める提言を5月に政府に提出。今回の提言はこれに続くもの。
冒頭で「緊急事態宣言が解除されたが、危機を脱したわけではなく、一時の安堵感から対策強化の手を緩めるようなことがあってはならない」と指摘。
ワクチンと治療薬の普及までには少なくとも1年~2年以上を要するとし、感染拡大防止と経済の両立のために「自粛と休業の繰り返しという受け身戦略」から積極的な感染防止戦略への転換を訴えている。
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