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 九州地方や岐阜、長野など西日本と東日本の広い範囲で大きな被害が出ている「令和2年7月豪雨」で、全国の高齢者関連施設にも大きな被害が出ている。厚生労働省のまとめによると、9日時点で全国の高齢者関係施設の被害状況は、78施設となっている。一方、各種施設団体では広域支援の動きが出ている。

 

避難所の高齢者も多く長期化が懸念される(写真=首相官邸ホームページより)

 

熊本の特養 14人犠牲

 

熊本県球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」では、入居者13名と職員1名が犠牲になり、51名が救助され病院に搬送された。被災施設数が最も多いのは福岡県で40ヵ所、ただし、人的被害は報告されていない。

 

また、10日時点で災害救助法の対象になっていない長崎県でも、大村市の4施設で浸水被害が報告されている。停電、断水といったライフラインへの被害も多く、9日時点で復旧できていない施設も多い。熊本県人吉市では9日時点で下水道処理施設の一部が機能停止している。

 

 

熊本県健康福祉部が行った被災直後(5日)の調査によると、球磨村・人吉市の区域では、高齢者施設7ヵ所、医療施設13ヵ所で浸水被害が発生。ほかに障害者施設1ヵ所、薬局など15ヵ所にも浸水被害が出ている。県内では水俣市・芦北町で高齢者施設7ヵ所、医療施設12ヵ所でも浸水被害が発生。八代市や天草市の高齢者施設、医療施設でも被害が確認されている。

 

当初、九州地方に豪雨被害が集中したが、梅雨前線の動きにともない、8日にかけて中部地方でも被害が発生。高齢者関連施設の浸水などが報告されているが、人的被害は出ていない模様。

 

 

公益社団法人全国老人福祉施設協議会(東京都千代田区)は7日付で平石朗会長が、会員施設である千寿園での被害などに対して追悼のコメントを発表。同会は6日、常任理事会と災害対策委員会のメンバーによる合同対策会議(テレビ会議)を開き、現状把握と対応策を検討し、被災地支援に取り組んでいる。

 

 

公益社団法人全国有料老人ホーム協会(東京都中央区)の担当者は「会員施設1ヵ所で床上浸水があった」と話す。施設は球磨川とその支流が合流する場所にあり一帯が浸水。周辺地域は水道以外のインフラも途絶しており、連絡が取れたのは9日になってから。入居者9名がその法人が運営する特別養護老人ホームへと避難したという。

 

同協会も支援を準備しており、9日時点では現地のニーズ収集を急ぐ。「人的な支援は現地法人内で間に合っているようで、協会としては生活用品、マスクなど物的支援が中心になる見込み」(同担当者)という。

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