日本薬剤師会 21年度予算・税制要望

公益社団法人日本薬剤師会(東京都新宿区)は7月1日付で、厚生労働省に対して2021年度予算及び税制改正に関する要望書を提出した。

 

 

要望書の冒頭では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う技術料減少や医薬品購入額の急増によるキャッシュフロー悪化などを挙げ、薬局経営への財政支援を要請。
さらに、税制改正を通じ、経営が悪化した薬局に対する課税繰り延べ制度の拡充を求めた。なお、中央社会保険医療協議会で議論になっている20年中の薬価調査の実施と21年度の薬価改定に関しても、新型コロナ感染症対応で医薬品業界が平常時でないことを理由に挙げつつ改めて延期するように厚労省に求めている。

 

 

 

 

高齢者医療や介護関連項目では、「かかりつけ薬剤師・薬局機能」の充実・強化の後押しに加え、地域包括ケアシステムにおける薬局・薬剤師の活用の一環で、在宅医療と連携するために

▽過疎地などの薬剤師の地域偏在の是正と女性薬剤師の復職支援など
▽無菌調剤室の整備などを含めた在宅医療・介護と終末期医療の推進
▽認知症のケアに関わる人材の育成
---などへの財政措置を要望。

 

4月から高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施がスタートしたことを踏まえ、薬剤師による保健指導を通じた低栄養防止などのフレイル対策強化への財政支援も必要としている。

 

 

電子処方箋やICTを用いた医療介護連携の推進などに関連して、特に電子処方箋については国が2023年度中の導入を目指していることから、医療介護従事者ならびに医療提供施設、介護サービス事業者を電子的に識別・確認するための電子認証基盤の構築の支援、さらに21年3月にスタートする医療保険のオンライン資格確認の普及に向けた基盤整備への予算措置、各薬局の施設などで必要な設備整備への助成などが要望事項に盛り込まれている。

 

 

 

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