8月26日に都内で開催された厚生科学審議会感染症部会(予防接種・ワクチン分科会、予防接種基本方針部会の合同開催)において、今年度の冬はインフルエンザワクチンの需要が高まるとの予測に基づき、65歳以上の高齢者(定期接種対象者)などを対象に10月前半から接種を順次開始する方針が示された。
新型コロナウイルス感染症の再流行に対する懸念もあり、季節性インフルエンザへの予防接種率が高まると見られる。例年のインフルエンザワクチン接種率は小児が50~60%程度、高齢者が40~70%程度。
厚労省の方針では、10月前半から定期接種対象者への接種を開始。同月後半から、医療従事者、基礎疾患のある65歳未満の人、妊婦、乳幼児〜小学校低学年(2年生)への接種を希望者に行う。
優先的な接種対象者への接種呼びかけを行う一方、時間差を設けてワクチンの供給安定を図る考えだが、接種希望者の増大や一時的な集中によっては供給不足に陥る懸念もある。厚労省によると20年後半〜21年前半のインフルエンザワクチンの供給見込量は約3178万本、成人への接種で6356万回分に相当する。
予防接種への対応と並行して、地方自治体や医療機関などによる「発熱外来」の設置などが進められる。季節性インフルエンザの流行期には多数の発熱患者が発生し、今年度も同程度の発生が想定されるが、インフルエンザと新型コロナを臨床的に鑑別することは困難なことから、10月中に検査体制を整備する。
新型コロナ対策では8月28日に施策パッケージが発表され、重症化リスクの高い高齢者、高齢者施設の職員や入居者・入所者を対象に、希望者全員に対する行政検査の実施などが盛り込まれた。加藤厚生労働大臣は同日の記者会見で「自治体や施設を全面的に支援する。例えば高齢者施設には必要に応じて『PCRカー』派遣なども行いたい」との考えを示した。
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
Twitterでフォローしよう
Follow @kj_shimbun