厚生労働省は3日、「第4回精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会」を開催。2017年創設の新たな住宅セーフティネット制度の状況が公表され、都道府県別では大阪府が2万414戸と突出して多いことが分かった。
大阪府施策推進で最多
新たな住宅セーフティネット制度創設の背景には、
▽高齢単身世帯の大幅増
▽若年層の収入減少
▽子どもをもたない若年夫婦
▽ひとり親世帯の低収入
▽高齢者世帯・生活保護世帯等への家賃滞納等への不安による入居拒否
といった理由による住宅確保要配慮者の状況や、人口減少により公営住宅などの大幅増が見込めないこと、空き家・空き室の増加など住宅ストックの状況がある。空き家・空き室を活用し、住宅セーフティネット機能を強化するための法改正が、17年に行われた。
新たな住宅セーフティネット制度の主な概要は、
(1)住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度
(2)登録住宅の改修・入居への経済的支援
(3)住宅確保要配慮者のマッチング・入居支援
の3つ。
今回、同検討会で使用された国土交通省の資料では、20年8月31日時点での同制度の施行状況を提示。住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅の登録戸数は、全国で6万8190戸だとした。
都道府県別登録戸数を見ると、大阪府が2万414戸と突出して多いことが分かる。次いで愛知県で1万4448戸、兵庫県で1万1917戸。国交省担当者によると「大阪府が施策の推進に力を入れている」と言い、その背景には生活保護受給率の高さなどがあると考えられる。
17年の改正法施行時点では1034戸であった登録戸数が2年2ヵ月で6万8190戸にまで増加した。受付・審査中の戸数を合わせると16万4794戸であり、国の整備目標である「21年3月時点で17万5000戸」に届く可能性もある。
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