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ツクイ(横浜市)では、主力の在宅介護事業のほか、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームなども出店しており、今年度は全国18のエリアで自社サービスの相乗効果を図る地域包括ケアのモデルを展開している。同社のエリア戦略や保険外事業などについて、津久井宏社長に話を聞いた。

── 主力のデイサービス事業について、厳しい改定が続いている

津久井 当社では、地域に深く根差すことを目指した展開に加え、今後は、より生活に踏み込んだデイとして「機能訓練」と「認知症予防」を更に強化していきます。これまで集めてきたエビデンスをもとに「要介護度を維持・改善できるデイ」へと進化させていきます。

デイを含む在宅介護事業所は現在47都道府県に出店しており、デイ拠点数は479ヵ所でトップとなっています。今後も、マーケットに応じて35人定員・45人定員・60人定員の3種をこれまで同様年間約30ヵ所出店しながら、エリア戦略とともに総合事業へのアプローチも模索する方針です。

── エリア戦略について、具体的には

津久井 例えば首都圏では、「自宅から徒歩圏内にデイがあれば」といったニーズが多い地域があります。「デイが飽和状態だ」との見方もありますが、利用者目線で見ると十分ではないのです。また、エリア戦略を展開するためにはサービスの選択肢を持っていなければなりません。

デイ単体のサービスにこだわることなく、住まい・訪問サービスのすべてを提供できる体制にしていく。こうしたモデル地域を昨年度は3エリアで展開していましたが、今年度は18エリアに拡大し、当社なりの地域包括ケアモデルを構築していく考えです。

── モデル地域での取り組みについて

津久井 医療機関や他の介護事業者、訪問看護や調剤薬局などど連携し、ともに取り組んでいけるパートナーを見つけないと24時間365日のケアはできないと思います。そうした考えから、現在15のエリアで他社とともに事例発表会を行っています。

当社としては、これまでの方針や取り組んできたことが地域包括ケアに繋がっていると考えています。訪問入浴で事業をスタートしたため、医療連携や多職種協働の必要性を理解し事業を展開してきました。地域に根付いた手厚いサービスという点で、ライバルは地元の社会福祉法人だと考えています。

── 保険外事業について

津久井 人材派遣を行う子会社「ツクイスタッフ」は、強いニーズで増収増益となっています。また、福祉車両・福祉用具のリース会社「ツクイキャピタル」も7月に事業を開始しました。社内のリース取引を事業化し、ツクイグループの収益向上を見込んでいます。

── 今後の展望は

津久井 6月に、認知症行方不明者らの早期発見に寄与するIoT型見守りシステムを加藤電機と共同開発しました。8月より当社の宮城県・新潟県のデイ30ヵ所で運用試験を開始し、9月以降には一般販売も含めて順次拡大する予定です。
そのほかにも、コンビニとの協業やショッピングモール内での介護相談窓口設置・緩和型デイ開業などを通し、社会の課題に向き合っていきます。

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