公益社団法人全国老人保健施設協会(東京都港区)は4日、同協会が1日に塩崎恭久厚労相(当時)宛提出した2018年度の介護報酬・診療報酬同時改定に向けた要望書について会見を開いた。老健施設における(1)「在宅支援」機能の評価、(2)医療提供の質の評価、(3)ケアの質向上に対する取り組みの評価、(4)チーム・リハビリテーションの評価、を求めている。
(1)については、今年6月の介護保険法の改正で、老健の役割に在宅復帰に加え「在宅支援」が明記されたことを受けたもの。東憲太郎会長は「要介護者の在宅生活を支えるには、月単位、時には年単位の家族のレスパイトも必要」などとして地域特性や流動的な利用者ニーズに応えられる柔軟な制度設計を求めた。また、在宅復帰率やベッドの回転率などの要件を満たした在宅強化型老健施設では、通所・訪問リハビリなどの在宅支援サービスの提供量が多いが、ベッドの稼働率が下がってしまい結果として苦しい経営状況に立たされていることを問題視した。
(2)については、老健入所時には、薬剤費が包括化されているため、入所時に薬剤の見直しがされることが一般的である。これを診療報酬改定における多剤投与の適正化の評価に合わせて、老健に対しても医師を含めた多職種で服薬や副作用チェックを行い、減薬した場合の評価などを求めた。
(4)に関して、東会長は社会保障審議会における議論に触れ、「通所リハと通所介護の役割分担といった話も出ているが、リハビリテーションは、専門職が提供するトレーニングだけを指すのではない。利用者の目線に合わせ、多職種が支える入所生活でリハビリ機能を評価してもらいたい」とした。
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