日清医療食品が国内最大の介護食工場を京都で竣工

病院・介護福祉施設での給食サービスを手掛ける日清医療食品(東京都千代田区)は8月26日、国内最大級のセントラルキッチンとなる新工場「ヘルスケアフードファクトリー亀岡」を京都府亀岡市にて竣工した。同社の医療・介護食ブランド「モバイルプラス」を、1日に10万食製造可能だという。

今回の新工場は、同社6施設目。従来のセントラルキッチンでは、バッチ式加熱・冷却製造方式で、加熱・冷却工程を手動で行っていたのに対し、新工場では、連続式加熱・冷却製造方式を採用。加熱・冷却工程の自動化・ライン化を行うことで、生産効率化、生産量拡大、省力・省人化を実現しているという。操業開始日は、今年12月を予定。

新工場の規模は、敷地面積約2万5000平米、延床面積約1万5000平米と国内最大級で、1日10万食の「モバイルプラス」を製造する。採用予定は300名、うち150名は地元採用枠としており、地域の雇用創出にもつなげる考えだ。

設計のこだわりのポイントは、(1)現場確認の見える化、(2)徹底した効率化・省人化の追求、(3)商品損傷を起こし難い工程の組み立て、の3点にあるという。設計は中央設備エンジニアリング、施工は古久根建設が担当した。

新工場建設の背景として、同社では「現在の病院・介護施設での食事サービスは、管理栄養士・栄養士・調理師を有し、その下に調理スタッフを配置している。今後労働人口が減少する中、現状のビジネスモデルには不安がある。今回の新工場は、最新設備の導入により製造過程の自動化をすすめ、ビジネスモデル転換を図るためのフラッグシップとして位置づけている」としている。病院や介護施設、保育園などからの委託件数は現在5300件以上で、1日約120万食の食事サービスを提供しているという。

同社の医療・介護食ブランドである「モバイルプラス」は、毎日の食事をセントラルキッチンにてクックチル方式により調理し、同社の契約先事業所へ配送する食事サービス。常食のほか、全粥や減塩、エネルギーコントロール食、各種禁止食にも対応しており、厨房での作業は再加熱・和える等の簡単な作業のみ。少ない労働力で、医療・福祉現場での喫食者に合わせた食事提供が可能だ。