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東京都中野区の介護付有料老人ホーム「ニチイホーム鷺ノ宮」で入居者の男性を殺害したとして11月14日、同施設の元職員が殺害容疑で逮捕された。堅実な経営を貫いてきたニチイケアパレス(東京都千代田区)のホームで起きた事件だけに、業界でも波紋を広げている。

ニチイ元職員、殺害で逮捕

逮捕容疑は、8月22日早朝に「ニチイホーム鷺ノ宮」の浴室で入居者を溺死させた疑い。逮捕された元職員は、2014年に新卒で入社し、17年9月まで勤務していた。勤務態度はまじめで遅刻や欠勤などもなかったという。動機については「布団を何度も汚され、かっとなった」と供述しているという。

ニチイケアパレスの秋山幸男社長の対応は早かった。即日記者会見を開き、亡くなった入居者と遺族、関係者への陳謝とともに、今後は第三者による調査委員会を立ち上げ、再発防止に努める考えを示した。

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大都市圏で紹介センターを運営するエイジプラスの田中宏信常務は、「入居者にとっては、あってはならない事件。しかし、ニチイケアパレスの担当者からの謝罪の一報、即日の記者会見と、今回の事件に真摯に向き合っている姿勢を感じている。このような事象が発生した際に、運営会社の取る姿勢でその会社の良し悪しが如実に浮き彫りになる」と話す。また、虐待や事故防止に取り組んできた事業者らは、「多くの事業者が事故や虐待などの抑止策を講じている。1企業の問題ではなく、構造上の問題も大きい」と話す。

業界関係者の多くが「他人事ではない」と感じている。入居者を預かる立場からすれば、入居者の不安や不信感を払拭することが何より重要だが、慢性的な人手不足という構造上の問題は根深い。業界全体で事故や虐待などの抑止策を講じる必要がある。

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