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来年度の診療報酬改定で医療機関に隣接する有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの入居者に対して、訪問診療を行う場合の報酬引き下げが決まる見通し。複数医療機関からの訪問診療も一定要件下で認められそうだ。中央社会保険医療協議会が10日、審議した。

 

 

厚生労働省が示した案は外来診療と訪問診療の「中間的な取り扱い」として施設入居等医学総合管理料を引き下げるというもの。野村総合研究所(東京都千代田区)のデータによると有料老人ホームの入居者のうち、自立者の8・5%・要支援の61%が、サ高住では自立者の7・7%・要支援の42・3%が月2回の訪問診療を受診しているという。入居者が最も利用する医療機関は、「併設・隣接する医療機関」が有老で10・6%、サ高住で15・4%だった。

 

集合住宅で軽度者の利用が多いという論調に対して今村聡委員(公益社団法人日本医師会副会長)は「介護と医療の必要度合いは一致しないことも多いうえ、要介護度が軽度とされる人の状態には幅がある」と反発。松本純一委員(日本医師会常任理事)は「距離や時間の効率性を理由に『医学管理料』に差をつけるべきではない」とした。

 

また、在宅療養する患者の看取りに際しての、医師とケアマネジャーの連携による支援体制についても議論。特に病状が急激に悪化する末期がんの患者について、医療機関とケアマネジャーの連携・情報共有を在宅時医学総合管理料の要件とする提案がされた。

 

さらに、日本医師会などがかねてから主張していた患者1人に対する複数医療機関からの診療を評価するも論点にあがった。幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)ら支払い側委員は「眼科や耳鼻科、皮膚科を専門とする機関に限定すべき」としているが、一定の条件下で緩和が進みそうだ。

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