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 ロボットメーカーのテムザック(福岡県宗像市)が開発した電動車椅子型ロボット「RODEM(ロデム)」の販売受付が先月より始まった。販売は総合商社のCBC(東京都中央区)が行う。

 

 

「座る」から「乗る」へ体の向き変えず乗降
 ロデムは従来の「座る」形式の車椅子を「乗る」車椅子へと進化させた次世代型スマートモビリティ。バイクに乗るような形で使うため、体の向きを変えることなく乗り降りできるのが最大のメリットだ。NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援事業として実施したデンマークでの実証実験の結果をもとに、安全性と実用性を追求した。

 

 

 4輪駆動で小回りが利くほか、大きさは通常の車椅子とさほど変わらないため、エレベーターやトイレなどの狭い空間でもスムーズに移動が可能だ。また、スマートフォンで操作すれば、ロデムを遠隔で移動させることができるため、被介助者が1人の場合でも使用できる。さらにベッドや椅子の高さに合わせて座面を調整でき、どこからでも移乗しやすくなる。座面を一番高くすれば、歩行者と同じ目線で会話ができる。

 

 室内や庭での使用を想定しており、ハンドルの角度を変えることで前かがみの作業が可能で、食事や洗顔など様々な生活動作に対応する。
 重量は約110キロで最高速度は時速6キロ。充電式で8時間充電すれば約15キロ稼動する。

 

 

 カラーはブルー、ピンク、グレイ、シルバー、ホワイトの5色を揃えた。メーカー希望小売価格は98万円(税別)で、レンタルの場合は月々5万円。介護保険適用の場合、ユーザーの負担額が月5000円~1万円になる。リースの場合は月1万8000円(6年リース)。来年中に1000台の販売を目指す。

 

 

 先月都内で開催された製品発表会で、テムザックの髙本陽一社長は、「ロデムを取り入れることで、介助者・被介助者双方の負担を減らし、誰もが暮らしやすい社会を実現したい。また、被介助者のやりたいことやできることの幅を広げ、質の高い生活を実現するための自立・移動を支援したい」と開発への想いを述べた。

 

 

 テムザックは医療、災害レスキュー、警備、コミュニケーションなど実用ロボットを手掛ける。一方CBCは世界18ヵ国41ヵ所を拠点に、製造・販売・流通などをグローバルに展開している。

 

「創造型商社」のCBCは、創業100年を見据えてNEWビジネス部門を設置。新たな基軸事業とすべく、介護福祉関連事業、パーソナルモビリティ事業、セキュリティ事業に取り組んでおり、それらに横断的に関わるAIやロボティクス分野への積極的な投資事業を展開している。

 

 両社は今年6月、介護・福祉事業分野のロボット開発を進めるために資本業務提携を行った。技術開発分野ではテムザックのノウハウを、マーケティング、セールス及び製造分野ではCBCの強みを活かし、互いのシナジーを高めることでロボット業界の更なる高みを目指す。

 

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