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国土交通省は1月31日、サービス付き高齢者向け住宅の健全な発展に向けた方策を話し合うため有識者会議を立ち上げ、「サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会」を開催。サ高住の質の向上や適正立地など、時代のニーズに即応するよう、施策の徹底した見直しについて検討を行う。

課題を再整理幅広い議論へ
懇談会設置の趣旨として、国交省事務局は「当省は厚生労働省と連携し、そのあり方と施策の方向性について昨年5月に取りまとめを行った。以降も、それを踏まえた検討・取り組みを進めている。本懇談会では、こうした取り組みの状況と今後について幅広い観点で議論してもらいたい」としている。

当日は、見守りサービスおよびユーザーに分かりやすい入居表示について昨年末に行われたワーキンググループにおける意見を踏まえ、現状の課題を改めて整理した。今後行われる議論の取りまとめ時期は未定だという。

座長を務める高橋紘士委員(高齢者住宅財団特別顧問)は「国民にとってもっと分かりやすく期待に応えられる制度を考えていきたい」と議論を促進。見守りサービスを提供する人員配置の緩和について「自立型の施設であれば、センサーなどを活用することで人員の配置を不要としてもよいのでは」との意見もある中、小林宏彰委員(サービス付き高齢者向け住宅協会事務局)は「人員は配置すべき。しかし、特定の自治体では日中帯の人員の入れ替えを認めないなどの行き過ぎた指導がある。この点は見直してほしい」とした。

重度者の対応や看取り体制課題
サ高住は、昨年12月末時点で6877棟22万5374戸供給されており、2011年の制度創設以降、短期間で普及が進んできた。国交省によると、入居費用の全国平均は家賃・共益費・サービス費で月額10・1万円(15年度末時点)。また、厚労省調査では、入居者の9割弱が要支援・要介護者であり、要介護3以上は3割強にのぼるとしている。入居者の要介護度や認知症が進行した際の設備整備、看取り体制の確保などを課題と感じている事業者は多いという。

今後も、住宅セーフティネット制度や介護保険制度などとの関係のほか、自治体による街づくりや既存ストックの有効利用など幅広い論点を取り上げ、サ高住の健全な発展に向けた方策を話し合っていく方針だ。

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