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 厚生労働省は3月16日、社会福祉士の養成カリキュラムの見直しに関する報告書を提示した。ソーシャルワークの専門職として期待される役割やニーズの変化を踏まえて来年度に詳細を検討、2020年度から教育現場に導入していく計画だ。

 

 

多様なニーズ対応 20年度導入目指す
 社会福祉士国家資格は、1988年の制度施行から累計で約21万人(昨年12月末現在)が取得している。近年の福祉ニーズの変化に伴い、社会福祉士の活躍の場は高齢者や障害者、生活困窮者および子ども・子育ての支援のみならず、教育や司法など様々な分野に拡がってきている。しかし養成カリキュラムについては、2008年度に見直しが行われてから10年が経過しているのが現状だ。

 

 地域包括ケアシステム構築やニッポン一億総活躍プラン、および地域共生社会の実現に向けて、社会福祉士には他専門職や地域住民との協働、各施設・機関との連携といった役割が期待されている。カリキュラムについて具体的には、「潜在的なニーズを抱える人の把握・発見」「地域全体で解決が望まれる課題の発見」「相談者の課題を包括的に理解するためのアセスメント」「分野横断的な支援体制および地域づくり」「必要なサービスが存在・機能しない場合の新たな社会資源の開発」などの実践能力を身につけられるよう見直す方針。

 

 また、実践には実習・演習による学習が重要となるが、実際は職場の業務内容の学習に留まっているとの指摘もある。これについては、「講義・演習・実習」の充実を検討するとともに、アクティブラーニングの活用や海外のソーシャルワークも含めたフィールドワークなど、実践的なカリキュラムに見直すべきとの意見があった。

 

 

17年度の合格率10年ぶり30%超
 なお、2月に行われた第30回社会福祉士国家試験では、受験者数4万3937人に対して合格者数1万3288人となり、10年ぶりに合格率が30%を超えた。前回と比較して受験者数は1912人減少したものの、合格者数は1427人増加。
 合格者の内訳は、男性35%、女性65%。福祉系大学などの卒業者が57・3%、養成施設の卒業者が42・7%となっている。

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