特養と医療機関協働へ/ウエルビー主催セミナー
ウエルビー(東京都渋谷区)は3月22日、都内で2018年度介護報酬改定に関するセミナーを開催した。公益社団法人全国老人福祉施設協議会(以下、老施協/同千代田区)の瀬戸雅嗣統括幹事とウエルビーの青木正人社長が講演した。
瀬戸氏は特別養護老人ホームにおける収支状況について、厚労省、老施協いずれの調査でも収支差率が低下していることを指摘。赤字施設は過去最多の33・8%になったという。
瀬戸氏によれば特養の基本報酬は広域型で1~2%増、地域密着型で2~3%増になった一方、小規模型(定員30人)は最大5・8%の大幅減となった。
看取りを含んだ医療ニーズ対応、排泄や褥瘡への取組みを評価している「配置医師緊急時対応加算」が新設され、早朝・夜間(650単位/回)や深夜(1300単位/回)に、配置医師が施設の求めで訪問し入居者の診療を行うことを新たに評価する。「看取り介護加算」についても、より手厚い評価となった。
現行では訪問介護が対象だった「生活機能向上連携加算」(200単位/月)が、特養も対象となった。算定要件は、外部のリハ専門職らが特養を訪問し、職員と共同でアセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成すること。
栄養関連の加算も要件の緩和や新設があり、現場での栄養改善の取組みが評価されるようになった。
通所介護では「ADL維持等加算」(3単位/月、6単位)が新設され、ADLの維持や改善を評価。今回評価指標として用いられることになったバーセルインデックスについて解説した。
瀬戸氏は特養で赤字施設が増えていることを踏まえ、「サービスの維持と質の向上、人材の処遇を高めていくために基本報酬のアップは不可欠」と強調した。
青木社長は今回の医療介護同時改定で入退院支援が強化されたことを指摘。外来から入院、在宅までスムーズな連携が診療報酬上も介護報酬上も評価されていると説明した。 「今回の介護報酬改定は医療系サービスにひもづく加算が非常に多い。医療機関との連携がこれまで以上に求められる」(青木社長)。
青木社長は今月、著作「介護事業者が知らないと損をする公的医療保険と診療報酬」をメディカ出版より刊行する。
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