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 一般財団法人サービス付き高齢者向け住宅協会(以下・サ住協/東京都品川区)は来年4月、一般社団法人高齢者住宅推進機構(同千代田区)と合流・統合して新団体「一般社団法人高齢者住宅協会」(仮称。以下・高住協)を立ち上げる。組織の拡大とともに、自浄作用を高めて業界団体としての発言力向上を目指す。

 

 

高齢者住宅推進機構と合流
ノウハウ共有し組織を拡大
 この方針は5月23日、都内で開催されたサ住協の事業者協会の総会で決議された。運営事業者が中心になって組織するサ住協と、ハウスメーカーが主な会員である高齢者住宅推進機構が合流することで、組織を拡大。ソフト面とハード面のノウハウを共有するとともに、行政に対する発言力を強化する。なお、サ住協の事業の一部として位置づけられる「サービス付き高齢者向け住宅事業者協会」は高住協に吸収されるが、一般財団法人としてのサ住協は存続し、高住協の活動を後方支援する。

 

 サ住協の小早川仁会長は、「介護報酬改定に関する議論の中で、集合住宅に対するサービスの在り方が焦点になっている。次期改定に向けて、結束を高めていくとともに、我々も不適切事例を無くしていかなければならない」と呼びかけた。
 社会保障審議会介護給付費分科会において、昨年の11月に示された訪問介護の集合住宅減算案では、同一の建物に住む入居者が10人以上である場合の減算額を拡大する方針だった。しかし、サ住協などの働きかけにより、減算額の拡大対象となる基準が50人以上に変更された。

 

 

品質の担保へ認証制度導入
 来年4月以降、高住協では、報酬改定を巡る議論において、減算の根拠として扱われやすい「過剰サービスの提供」、「利用者に選択肢を与えない抱え込み」を是正していく考えだ。そこで協会が適切な運営を行うと認めたサ高住を認証する、「適合マーク制度」を導入するという。サービス品質の向上を促すとともに、利用者に対し、優良事業者としてPRが可能になる。
 事業者の発言力を高めるために、個々の利害関係に捉われず、介護業界の中で足並みを揃えていく必要が指摘され始めている。サ住協の今回の決定は、危機感の表れだ。
 2011年に制度化されたサ高住は、地域の福祉拠点としての役割を期待され、スタートした。今年の4月までの7年間に登録件数は7000棟、23万戸まで伸びている。

 

 小早川仁会長は「本来、サ高住は地域包括ケアの中心的な存在のはずだ。自らの手で業界・市場の健全化を」と呼びかけ、優良事業所の見学やセミナーの開催で健全経営を支援していく。

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