厚生労働省は6月29日、介護の申請書類における事務作業の労力削減に向けて、「介護保険法施行規則等の一部を改正する等の省令」を公布。10月1日から施行する。今回は事業者が指定申請する際に自治体などへ提出する書類のみが対象となっている。
今回の改正省令では、指定の是非をチェックするプロセスに影響しないとの判断により、事業所の指定申請に関する書類から、(1)申請者・開設者の定款、寄附行為等、(2)事業所の管理者の経歴、(3)役員の氏名、生年月日、住所、(4)申請する事業に係る資産の状況、(5)申請する事業に係る各介護サービス事業費の請求に関する事項、(6)介護支援専門員の氏名、登録番号、の6つが削除される。
ただし、事業所の管理者の経歴には例外があり、管理者に一定の要件が設けられている。グループホームや小多機、看多機、認知症デイなどは含まれず、引き続き提出が求められる。
介護職員の業務負担軽減やモチベーションの向上、職場環境の改善などにつなげるのが狙い。そのほか、記載事項の削減については、申請する事業所の平面図や建物の構造、設備の概要を説明する書類に添付する写真は、「運営基準を満たしているか確認する上で不可欠なものに限る」とし、簡略化した参照様式例を施行日の10月1日に公表する考えだ。
報酬請求業務の軽減へ実態調査
厚労省は、介護報酬の請求や実地指導に関する帳票についての事務作業軽減に向けても動き出している。既に民間のシンクタンクなどに実態調査などを委託。必要性が乏しかったり、省略できる書類などについて検討し、年内には報告書の提出を求めている。厚労省は、「報告書をベースに方針を策定する。具体的な内容が固まるのは来年になる」とコメント。介護職員の事務作業半減が実現すれば、本来の業務であるケアに専念できるだけに、今後の動きに注目したい。
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